極め付けの名盤! まずはこれから
孤高の人 マッコイ・タイナーについて書きたいと思う。 この1967年に録音された、ブルーノートレコード移籍の第一段となった、 本アルバムは、彼のスタイルがある意味完成された金字塔である。 また、人選、選曲、アルバムジャケットなど、 どれをとって…
サンボーンとマーカス・ミラーの相性 デイビィッド・サンボーン自体を語るのは難しい。 様々なアーティストのレコーディングに客演し、ツボを得たソロを披露して、 曲全体のクオリティに華を添えると言った立ち位置が、 サンボーンにとって、自身の魅力を発…
信頼できるピアノ 「信頼できるピアノ」 というタイトルも変ではあるが、 グレン・ザレスキーのピアノを聴いていると、 ジャズピアノとは、「かくあるべき」という感想がいつも出てくる。 このスタンダードを中心に取り上げた、ザレスキーの初リーダー作は、…
キースのピアノの音色の美しさについて なんといっても キースのピアノは、 音色が美しい。 ピアノの音ががこんなに優しく、華麗で、時に限りなく憂いを帯びて・・・ ピアノの音色の美しさにハッとさせられることが多いのは、 やはり、キース・ジャレットで…
やはり手が伸びる マルコス、人妻のステイシーに手が伸びてるし、 自分も、なんやかんや言って、ステイシーのアルバムに手が伸びる。 なんてゴージャスで、軽妙洒脱な音楽なんでしょう。 音楽で、交歓し合う二人の成熟したやりとりが、伝わってきます。 ライ…
「透徹した寂しさ」 タイトルどおりの音楽 儚げなアルバムジャケット、 そして、エバンスが終生持ち続けたイメージにぴったりの 「アローン」というアルバムタイトル。 そのアルバムタイトルが象徴するように 硬質で鋭利な孤独感とでも言ったら良いであろう…
ヒノテルのフトコロ ヒノテルこと日野皓正。 学生時代、一度だけ、共演できるチャンスを奇跡的にいただき、 その圧倒的な存在感、全体を掌握するカリスマ性、 包容力のあるサウンドとフレーズに、圧倒されたことをよく覚えている。 このアルバムは、その頃、…
興奮する。 私のアイドル、ソニー・ロリンズ、紹介4作目です。 本当は、このアルバムを一番先に、紹介したかった。 ジャズの真髄と奥深さ、即興演奏の刺激と面白みを教えてくれた、 私にとって、非常に大切な一枚。 何度聴いても、興奮する、興奮する、興奮…
元気の出る音楽 チャールス・ミンガスの音楽を、 時々、無性に聴きたくなる。 そして、ミンガスを聴くと、元気になれる。 心が暖かくなる。 このアルバムも、学生時代に中古の掘り出し物として、 安価で手に入れた思い出深い、レコード。 確か、2枚セットで…
軽音楽部の思い出 4年の大学生活は、あっという間であった。 憧れの下宿生活、 軽音楽部でたむろし、ジャズ喫茶のバイトに明け暮れる毎日。 聴くもの、食べるもの、都会の匂い、原付バイク、何もかもが新鮮で、 一つ一つが、カラフルな色合いで輝いて見えた…
次元の違う説得力 フルボリュームで、 オーケストラをバックにジョニ・ミッチェルが歌う、 このアルバムを聴くと、 やはり、いつもやられてしまう。 次元の違う説得力。 歳を重ねた、独特の枯れた声の妖艶さは、好き嫌いがあるかもしれないが、 この精巧なア…
人生で一番聴いたアルバム 私がジャズを聴き始めて、2枚目に買ったアルバム。 見開きの和紙ライクな白いLPジャケットが素敵で、そこに描かれた、 水墨画のような二人の姿が象徴するように、 地味ながら、二人のインタープレイが紡ぎ出す、枯淡な味わいは…
嗚呼、和む。 リラックスしたいときに、つい手にとってしまう愛聴版のひとつ。 テナーサックス、ピアノ、ベースという少し変わった編成のトリオである。 まず、なんと言ってもマックス・イオナータが甘い、甘い、甘い!。 控えめに、しっとり絡むドメニコ・…
「住する所なきを、まづ花と知るべし。」 パット・メセニーを取り上げるのを敢えて避けてきたような気がする。 私の青春時代の大切な心象と重なるな音楽であり、 長い年月にわたって、その圧倒的な編集工学の妙味を、贅沢に、惜しげもなく、 提示し続けてき…
若きハンコックの完成度たるや! 素晴らしいものがあります。 この1963年8月録音のブルーミッチェルのリーダー作は、 選曲、メンバー、構成、演奏どれをとっても素晴らしい作品で、 愛聴版の一つなのですが、 何をおいても、23歳の若きハンコックの演…
青春の輝き チック・コリア 寂しい限りである。 「ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス」、「ARC」、「サークル」、 「ピアノ・インプロビゼーションVol.1&2」、「リターン・トゥ・フォー・エバー」、 「ライト・アズ・ア・フェザー」、「フレンズ…
これぞ、ニューウェーブ! 30年も前の作品であるが、 今聴いても、新鮮で、そのカッコよさに痺れてしまう。 鬼才、ヨン・バルケの大傑作であり、 私の最愛聴盤の一つである。 この不思議なオーケストレーションの魅力を、 言葉で表現することは難しい。 断…
ボール・ブレイのもう一つのソロ ポール・ブレイの代表作と言えば、 「オープン・トゥ・ラブ」であり、私もそう思う。 ブレイの魅力を伝えるに相応しい完成度の高い傑作である。 しかし、今回は、あまり取り上げられることのない、 ブレイ自身が立ち上げた、…
こんなメロウなカーラも好い! このアルバムも、自分にとって、極めて懐かしい一枚であり、 本当によく聴いた一枚である。 カーラにしては、非常に珍しくポップでメロウな聴きやすい曲が多く 親しみやすい作品に仕上がっている。 しかし、よく聴き込むと、 …
マイ・フェイバリット・アルバム ・このジャケットを見るだけで、特別な気持ちになる。 ・「いま、ジャズを聴いているなぁ」という気持ちに浸らせてくれる。 ・自由自在にタイムキープが変わる空間に突き刺さるマイルスのペットの素晴らしさ。 ・「星影のス…
彼女のいない寂しいクリスマスに 学生時代、彼女もおらず、 かといって、クリスマスイブに、 一人アパートで過ごすのもあまりにも不甲斐なく、 大阪の梅田まで、出かけてみたものの、 一人寂しく立ち寄るところといえば、中古レコード屋くらい。 懐も寂しい…
ニューヨーク近代美術館のロリンズ ロリンズはニューヨーク近代美術館で二枚のライブ録音を残している。 1枚目は、1965年のカルテット演奏。 2枚目は、20年後の1985年のソロによる演奏。 70年代以降のロリンズは、どちらかというと苦手なのだ…
ケニー・カークランドみたいに弾けたなら ケニー・カークランドの初リーダーアルバムである。 学生時代、最も憧れたピアニスト。 そして好きなミュージシャンのピアニストはいつもケニーが務めていた。 マイケル・ブレッカー、ミロスラフ・ビトウス、日野皓…
チャールス・ロイドの思い出 何年前なのかは、はっきり思い出せないが、かなり前のこと。 名古屋パルコにあるクラブ・クアトロで 生のチャールス・ロイドを観た。 メンバーは、ヨアヒム・キューンとダニエル・ユメールと、 ベースは忘れてしまったが、ワンホ…
フゴフゴ、モコモコのモブレー、頑張る 個人的に大好きなテナーである。 「モブレーは、いいなぁ。レイジーで、茫洋としたフレーズだけど、 それがなんとも円やかで味があるねぇ。好きやわぁ」 と、かなりテナーサックスが上手い某友人に、同意を求めたとこ…
少年のようなマイルス 映画「マイルス・デイビス クールの誕生」を観てきた。 とてもとても小さなスクリーンで、見る前に少し意気消沈したが、 実際、映画が始まると、そんなことは一切気にならなくなり、 あっという間に見終わってしまった。 彼が遺した音…
ピアノトリオ 〜美の結晶〜 余りにも美しすぎるピアノトリオ。 センシティブで、クール、聴く度に、深遠なるトリオミュージックの 真髄に嵌っていく。そんな素晴らしいアルバム。 何が素晴らしいのか、稚拙な分析ながら、整理してみたい。 1 ピアノのダイナ…
ちゃんとコルトレーンを聴きたいときに 本作は、「ジャイアント・ステップス」の一年後、 そして、「マイ・フェイバリット・シングス」とほぼ同時期に 録音された音源で、「コルトレーン・プレイズ・ザ・ブルース」と言うアルバム も出されたが、二つの大傑…
イリアーヌ、渾身のピアノ このアルバムのライナーノーツに、 イリアーヌのこのアルバムに対する意気込みが伝わってくるような自身の言葉がある。 レコーディングを終えた手応えもあるのか、 興奮して、日本のライターである竹内淳に、堰を切ったように話し…
何度聴いても・・・ 学生時代、 京都河原町三条下るにあったジャズ喫茶「Big Boy」でバイトをしていた。 ここでのバイトは、大勢の学生が在籍していたため、 比較的シフトが緩やかで、自分の都合に合わせて、働くことが出来た。 深夜帯(確か夜中の12時まで)…