キースのピアノの音色の美しさについて
なんといっても
キースのピアノは、
音色が美しい。
ピアノの音ががこんなに優しく、華麗で、時に限りなく憂いを帯びて・・・
ピアノの音色の美しさにハッとさせられることが多いのは、
やはり、キース・ジャレットである。
ピアノのダイナミズムを知り尽くした男なのであろう。
聞いたところによると、
鍵盤の打鍵の軽さなど、調律師による、かなり特徴的な調整が施されているようだが、
スタインウェイの硬質でありながら柔らかい、あのなんとも言えない音の魅力を
キースは十二分に引き出してくれる。
二曲目の「You’ve Changed」を聴いてみてください。
出だしから、少し篭った感のある表情をみせながらも極めて硬質でストイックな
礼儀正しい音を紡ぎ出している。
音の表情に深みがあるのである。
これは、楽器のポテンシャルと、
演者の演奏技術（いわゆるタッチやフィンガリング）の双方が、
見事に融合し、昇華した結果であろう。
ライブ映像を見ると、非常に力の入った指使いで、
よくあんな強張った指使いで、あんなに美しい音が出るものだと、
いつも感心してしまうが、
キースならではの魔法のタッチが紡ぎ出す音は、唯一無二で限りなく美しい。
キースのタッチや音のことばかり書いてきたが、
このアルバムは、この往年のトリオのライブ作品の中でも、
珠玉の出来であり、特にキースが素晴らしい。
数あるスタンダーズの作品群の中でも、ぜひお勧めしたいアルバムである。
PERSONNEL:
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KEITH JARRETT, piano
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GARY PEACOCK, double-bass
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JACK DeJOHNETTE, drums
Recorded in Munich, ECM's hometown, in 2001
TRACKS:
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01. Intro - I Can’t Believe That You’re In Love With Me
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02. You’ve Changed
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03. I Love You
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04. The Out-of-Towners
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05. Five Brothers
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06. It’s All In The Game
