ケニー・カークランドみたいに弾けたなら
ケニー・カークランドの初リーダーアルバムである。
学生時代、最も憧れたピアニスト。
そして好きなミュージシャンのピアニストはいつもケニーが務めていた。
マイケル・ブレッカー、ミロスラフ・ビトウス、日野皓正、ケニー・ギャレット、
エルビン・ジョーンズ、そしてマルサリス兄弟などなど。
当時、サイドマンとして、引っ張りだこだった。
大西順子も興に乗ると、ケニーの常套フレーズが出てくる。
当時は非常に影響力が大きかったピアニストである。
モーダルでスピード感ある流麗なアドリブ、
でもちゃんとよく唄って、半端なくスイングするケニーの演奏は、
聴いているだけで、全身に心地よい興奮が湧き上がり、喜びに包まれる。
今聴いても、ケニーのソロは矢張り別格である。
ピアノの化身である。
「ピアノの化身」と形容されるピアニストに「ミシェル・ペトリチアーニ」がいるが、
もう一人、ケニー・カークランドを加えていただきたい。
さらに「ピアノの化身」三羽ガラスに、マッコイ・タイナーを加えても良い。
「ピアノの化身」と形容するのは、アドリブに焦点を当てた時、圧倒的だという意味。
とにかく、徹底的に弾きまくるし、それがこの上なく嵌っていることを意味する。
それはライブ映像を見ればよくわかる。
ケニーの後継者は、ジョーイ・カルデラッツォであるが、
ジョーイを長年起用し続けたのも、
ケニーのピアノのテイストをいかに好んでいたかの証であろう。
この初リーダーアルバムは、選曲、メンバー構成共に多彩で、
非常に意欲的な作品であり、当時のメインストリームジャズを堪能できる。
何度、繰り返し聴いたことか。
あと、オマケですが、次の譜面のついた動画も良かったらご覧ください。
ウィントン・マルサリスとピーター・アースキンのリーダーアルバムにおける
ケニー・カークランドのピアノソロが採譜してあります。
なんとカッコいいこと!
- Kenny Kirkland - piano (all but 3 & 5), keyboards (track 5, 11)
- Branford Marsalis- tenor saxophone (1, 10), soprano saxophone (2, 4, 9)
- Jeff "Tain" Watts- drums (1-4, 6, 7, 9)
- Steve Berrios - drums (8, 10)
- Don Alias - percussion (5, 11, 8)
- Jerry Gonzales - percussion (8, 10)
- Roderick Ward - alto saxophone (7)
- Andy Gonzalez - bass (8, 10)
- Charnett Moffett- bass (1, 4, 7)
- Christian McBride- bass (6)
- "Mr. J. C." - 8:07
- "Midnight Silence" - 3:32
- "El Rey" - 1:35
- "Steepian Faith" - 6:03
- "Celia" - 6:49
- "Chance" - 6:01
- "When Will The Blues Leave" - 5:39
- "Ana Maria" - 8:36
- "Revelations" - 7:48
- "Criss Cross" - 5:19
- "Blasphemy" - 3:04
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Steepian Faith - Kenny Kirkland ( Kenny Kirkland )
Kenny Kirkland - Black codes | Piano solo transcription(ウィントン・マルサリス)
Kenny Kirkland and Michael Brecker solos transcription by Paolo Principi.(ピーター・アースキン)