JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Blue Mitchell  ブルー・ミッチェル Step Lightly

若きハンコックの完成度たるや!

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素晴らしいものがあります。

 

この1963年8月録音のブルーミッチェルのリーダー作は、

選曲、メンバー、構成、演奏どれをとっても素晴らしい作品で、

愛聴版の一つなのですが、

何をおいても、23歳の若きハンコックの演奏に、

「素晴らしいものがある!」のです。

既に、この人の将来性を予見する感性と佇まいに溢れています。

 

むしろ、この頃のハンコックが一番理知的であったような、気さえします。

私がハンコックを評して、いつも使う、

「ファンキーに弾きたくてしょうがないけど、なんとか理性で抑えて」

という形容が、如実に現れた演奏となっています。

 

是非、このアルバムのハンコックを分析的に聴いて欲しいものです。

まず、「バッキング」。

この人のバッキングは、つくづく、

フロントのソロを引き立てるセンスの良さに溢れているのです。

次に、「ソロの構成力」。

予め、譜面にしたためたような、ストーリー性のある展開。

短いソロ演奏の中にこそ、ハンコックの構成力の旨さが凝縮されており、

脱帽です。

 

クインシー・ジョーンズがハンコックのソロをコピーして、

オーケストレーションしたことはよく知られていますが、

ハンコックのソロは、レンジが広く(懐が深く)、その魅力に富む語り口で、

多くの人に影響を与えてきたと思うのです。

 

デビュー作の「テイキン・オフ」と共に、

若きハンコックの驚くべき完成度を知ることのできるアルバムです。

是非聴いてみてください。

 

Blue Mitchell (tp)

Joe Henderson (ts)

Leo Wright (as)

Herbie Hancock (p)

Gene Taylor (b)

Roy Brooks (ds)

REC. August 13, 1963

 

01. Mamacita
02. Sweet and Lovely
03. Andrea
04. Step Lightly
05. Cry Me a River
06. Bluesville

 


Blue Mitchell - Step Lightly - Mamacita