ハンコックよりもハンコックらしい
パトリース・ラットェンの1977年の作品。
グラミー賞受賞者であり、アメリカでは、プレイヤーだけでなく、
音楽プロデューサーや作曲家としても大いに活躍し評価されている才媛である。
私が着目するのは、彼女のピアノプレイ。
彼女のフェンダーローズによるソロは、ハービー・ハンコックそのものである。
いや、ハンコックよりハンコックらしい。
いかにもツボを心得た、ローズ・プレイである。
素晴らしいタイム感覚とグルーブ。
そして何よりそのフレーズのハンコックライク。
本人もハンコックに相当影響を受けているのは自認しているが、
ハンコックのフレーズをより洗練したというか、分かりやすくしたというか、
解釈し尽くしたというか、様式化したというか、
とにかく、その完璧なハンコックライクな技量とエモーションに
感服せざるを得ないのである。
このアルバムの前作である「Before The Dawn」などは、
ハンコック臭がさらに濃く、いかにもという感じだが、
本作は、ハンコックフレーズの塩梅が、出しゃばりすぎす、絶妙で
実にノリノリなハッピーな気分にさせてくれるのである。
ローズを弾かせたら、彼女の右に出る人はいないのではと思ってしまう。
Backing Vocals - Charles Meeks, Maxine Waters, Roy Galloway
Drums - James Gadson
Guitar - AL McKay
Bass - Charles Meeks, Patrice Rushen
Percussion - Bill Summers
Piano - Patrice Rushen
Electric Piano - Patrice Rushen
Clavinet - Patrice Rushen
Synthesizer - Larry Nash, Patrice Rushen, Reggie Andrews
Tambourine - Patrice Rushen
Saxophone, Lyricon - Tom Scott
Trumpet - Charles Mims, Danny Vicari, Nate Alford
Vocals - Patrice Rushen
01 THE HUMP
02 SHOUT IT OUT
03 STEPPING STONES
04 LET YOUR HEART BE FREE
05 ROLL WITH THE PUNCHES
06 LET THERE BE FUNK
07 YOLON
08 SOJOURN
この曲の2分ちょっと過ぎた頃から始まるラッシェンのエレピソロを
まずは聴いてくだされ。あー溶けてしまう!!!