興奮する。
私のアイドル、ソニー・ロリンズ、紹介4作目です。
本当は、このアルバムを一番先に、紹介したかった。
ジャズの真髄と奥深さ、即興演奏の刺激と面白みを教えてくれた、
私にとって、非常に大切な一枚。
何度聴いても、興奮する、興奮する、興奮する。
このロリンズのウネリのある怒涛のグルーブ感、
演者の汗が迸るかのような白熱したプレイを目の前で聞くような臨場感。
ジャズ音楽の持つ高揚感とは何かを教えてくれる名盤中の名盤である。
歴史的にみても、ヴィレッジ・バンガード最初のライブ録音が、
このアルバムであったことは、驚くべきことである。
以下、ウェキペディアからの引用。
「ロリンズは当日、午後の部で5曲、夜の部で15曲演奏。プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、この日の録音のうち4曲を破棄し、残り16曲から6曲を選んでアルバムに収録した。「チュニジアの夜」は午後の部からで、あとは夜の部からの選曲」
とある。
私も、このアルフレッド・ライオンの選曲したLPを聴き慣れ親しんできたので、
この選曲、曲順がやはり一番、気持ちが良いのである。
そして、コンプリート盤も聴いているから、
このライオンの、夜の部からの選曲がほとんどというのも理解できる。
ちなみに、午後の部はドナルド・ベイリーとピート・ラロカ
夜の部はウィルバー・ウェアとエルビン・ジョーンズ
午後の部の組み合わせも素晴らしいが、
やはり、エルビンが入ると
明らかにロリンズが鼓舞されているような気がしてならない。
エルビンの三連の裏の唸り声がまた、興奮を呼ぶ。
LPでのA面も良いが、特に圧巻なのはB面。
まず、「Sonnymoon For Two」。
豪放磊落、自由奔放に湧き出るロリンズのアドリブの素晴らしさとともに、
エルビンの豪快で、うねるようなリズムの凄さに、痺れる。
次に、「A Night in Tunisia」
ロリンズの流暢なアドリブに触発された、ラロカのドラムソロが、素晴らしく、
劇的なラストに向け、興奮は高まるばかり。
そして、最後に「 I Can't Get Started」
テーマをおおらかに吹き終わり、
インテンポに入ったソロの素晴らしいことと言ったら!
その劇的な構成力、溢れ出る流暢なフレーズ、豊穣なサックスの音色、
エンディングを飾る気品と色気のある演奏である。
とにかく、ジャズの即興演奏というものに、興味をもたれた方は、
このアルバムでしっかり、その醍醐味を味わって欲しいと思う。
聴き重ねるごとに、ジャズの奥床さに気付かされる気がする。
できれば、素晴らしいオーディオ装置で、ボリュームを大きめにして、
照明を仄暗くして、聴き浸ってみてください。
(ts) Sonny Rollins
(b) Wilbur Ware,
Donald Bailey(on afternoon set)
(ds)Elvin Jones,
Pete La Roca(on afternoon set)
Recorded: November 3, 1957 at Village Vanguard, New York City
Label: Blue Note BLP1581
1)Old Devil Moon
2)Softly as in a Morning Sunrise
3)Striver’s Row
4)Sonnymoon for Two
5)A Night in Tunisia(afternoon set)
6)I Can’t Get Started
動画は、A面の「Softly as in a Morning Sunrise」
エルビンの3連の裏の唸り声に興奮します。