JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Hank Mobley ハンク・モブレー Soul Station

フゴフゴ、モコモコのモブレー、頑張る

f:id:zawinul:20201111215342j:plain

 

個人的に大好きなテナーである。

「モブレーは、いいなぁ。レイジーで、茫洋としたフレーズだけど、

それがなんとも円やかで味があるねぇ。好きやわぁ」

と、かなりテナーサックスが上手い某友人に、同意を求めたところ、

「ダメ、モブレーは。吹けとらん。参考にならん。聴く気にならん」

と、一刀両断でした。

 

某友人のようにサックスをある程度の水準で操れる人にとっては、

確かに「フゴフゴ」、「モコモコ」の吹ききれていないモブレーの演奏は、

やはり、とても認められるものではないのであろうか。

 

でも、このモブレーの代表作を聴くと、

「ジャズ聴いたなあ」と言う実感が湧いてくるのです。

選曲もいいし、聴きやすく、何よりワン・ホーンの魅力が詰まっている。

モブレーさん、相変わらず「フゴフゴ」「モコモコ」しているところもありますが、

相性の良いウィントン・ケリーやアート・プレイキーの好サポートもあって、

いつもより、切れ味鋭く、頑張っているではないですか!

 

モブレーの舌足らずで、雄弁、器用な方ではないが、

いつも一生懸命、吹き切る姿勢は、何か、憎めない親しみを感じるのである。

マイルスパンドでのライブ演奏におけるモブレーのソロを聴くといつも思うのだが、

よくも、マイルスに臆せず、長々とソロを取れたものだと感心してしまう。

(実際、マイルスからは、「コルトレーンがいてくれればなぁ」などと、

嫌味を言われたようだが)

ある意味図太い神経の持ち主なのかもしれない。

 

まあ、そんな勝手な探りは抜きにしても、

このアルバムは、ミディアムスイングするハード・バップの醍醐味を、

わかりやすく伝えてくれる、初心者にこそオススメの素晴らしいアルバムです。

ぜひ、聴いてみてください。

 

Hank Mobley (ts)
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Art Blakey (ds)

REC  1960年2月7日

1. Remember
2. This I Dig Of You
3. Dig Dis
4. Split Feelin's
5. Soul Station
6. If I Should Lose You

 


Hank Mobley - Remember