今週の厳選 1枚
新たな地平の提示 交互に、 「新たな地平の提示」と 「現在(いま)の地に足の着いた、端正なエキスプレッション」が 配置されているという構成が、 この作品にかけるマーク・ジュリアナのメッセージ性の強さを裏付ける。 個人的には、「新たな地平の提示」…
心動かされる 丸ごとカバー Re Blue これも、ふとアップル・ミュージックで聴いてみたら、 虜になってしまった一枚。 須永辰緒という名前も、 ボーカルのJ.Lamottaすずめ という変な名前のシンガーも 全く聴いたことがないわけだが、 このジョニー・ミッチェ…
やっぱり聴いてしまう 興味津々のロイドのプロジェクト、TORIOS。 その第一弾が、ビル・フリーゼルとトーマス・モーガンとの組み合わせ。 もう、最初から、人選だけで聴きたいと思うし、 聴き慣れてからも、つい、聴いてしまうし、 聴くたびに、ハマっ…
素直、丁寧、節度 ステファノ・ボラーニとの作品で、いいなあと思っていた、 デンマークのベーシスト、イェスパー・ボディルセン。 ヘンリック・グンデと言うピアニストを従えたピアノトリオ作品。 北欧のテイストという形容詞は、いつもあまり好きになれな…
抑制美 初めて聴く、米澤めぐみのピアノである。 ひたすら、淡々と、抑揚も抑え気味で、過度に盛り上げることもない。 延々とたゆたうように、むしろ朴訥とした印象で、修行僧のように、 無表情で通り抜ける感覚が心地よい。 華美で、ダイナミズムに満ち溢れ…
ワクワクする! 「軽さ」と「確かさ」 あまりこれまで聴いたことのないタイプの音楽でも わたしが、惹きこまれ、ワクワクしてしまう時に感ずるときの傾向として、 いつも「軽さ」と「確かさ」の感覚というものがある。 「確かさ」とは、 音楽の基本やテクニ…
優しさと、大らかさに満ちた音楽。傑作である! こういう音楽を聴くと、 音楽ってすごいなぁと今更ながら、感慨に浸ってしまう。 じわーっと心の奥に滑り込んでいくような感覚。 傑作であると思う。 個々のメンバーの技量もさることながら、 多分、入念な構…
メリッサ・アルダナのブルーノートデビュー作 メリッサ・アルダナの技量と可能性を知ることのできる傑作である。 インプロバイザーとしての技量も素晴らしいが、 音楽全体の構成、展開力を備えたオーガナイザーとしての可能性感を感じる。 演奏にも参加して…
心に沁みる音色 おがえりあみ と いのうえめい 名前もいいが、音楽もいい。 井上銘のギターの魅力は、かねがね、書き留めておきたかったのであるが、 このアルバムを聴いて、いてもたってもいられなくなった。 やはり、彼のギターの音色である。 非常にシン…
ラージ・アンサンブルの魅力 また、素晴らしいミナス・サウンドに出会った。 アントニオ・ロウレイロのプロデュースだけあって、期待が高まったが、 期待以上の素晴らしいアルバムに仕上がっている。 冒頭曲のMarcha Lenta を聴いただけでも、背筋に戦慄が走…
美しいピアノトリオが、またひとつ 初物である。 キット・ダウンズというイギリスのピアニスト。 北欧やイタリアなど、本当に多くの耽美的なアプローチのピアニストが、 数多いて、少々、辟易としている状況の中、 背筋の通った、硬質で、三者のインタープレ…
ザビヌル遺伝子 2022年の最初に紹介するのは、 スコット・キンゼイの新作。 それもシンガーソング・ライターのメル・サルとの共演作ということで、 果たして、どんなテイストのザビヌルミュージックが聴けるか、 年初めからワクワクして聴いた。 私同様…
番外編 思わず聴き惚れた音楽選 しあわせなことに、現在の私たちは、 気軽に、簡単に、様々な音楽に触れる環境の中にある。 そのことが、却って不幸だと、昔を懐かしむ方もいるが、 溢れる数多の音楽の中から、自分の直感と好奇心を持って、 これぞという音…
素敵なクリスマスに! あなたのクリスマスを彩るであろう、 素敵なアルバムを、2枚、同時にご紹介します。 一枚目は、まさにクリスマスソングを扱った、 イブラヒム・マーロフのニュー・アルバム、「ファースト・ノエル」。 マーロフにとって縁の深い教会で…
「斯くあるべし」 ビル・チャーラップ・トリオの新譜である。 「大好きなんです!」という訳ではないが、 やはり聴かずにはおられない。 ブルーノート復帰作ということらしい。 まず、ジャケットが渋い。 一番左側が、ビルだが、ビルに見えない。 ウォールス…
底知れぬメルドー メルドー自身が、この作品の音楽性について、 「ブラームスがある日起きたらブルースになっていたようなイメージだ」 と書いてるようです。 ブラームスと言われて、思い出したのが、 若きグレーン・グールドが録音した、 ブラームス晩年の…
シンプル クリスマス! ノラ・ジョーンズ初のクリスマス・アルバム。 ジャケットといい、選曲といい、 クリスマスという言葉の持つなんともいえない雰囲気を ストレートに、シンプルに伝えてくれるアルバムに仕上がっている。 とある紹介記事によると、ノラ…
先祖からの音群 アルバムタイトルを直訳すると、 「先祖からの音群」になる。 アルバムジャケットを観察しても、 音楽のミューズが、ケニーに息を吹き込んだものが、 彼のサックスを通じて、溢れ出してくると言ったイメージ。 いよいよ、ケニー・ギャレット…
開放される気分 2017年にリリースされた、 「Kinfolk: Postcards From Everywhere」の続編と言うことであるが、 前作は聴いていない。 聴いていないというより、ダウンロードするのを止めたような気がする。 当時、あまりに多彩で焦点が絞れきれないと言う印…
孤と孤の対峙 Solos 明らかに、アルバムジャケットの構図は、 トニー・ベネットとビル・エバンスのあの名作デュオ・アルバムを意識している。 恥ずかしながら、このジョン・セダカというミュージシャンを、 これまで全く知らなかった。 グラミー賞を2回獲得…
羨ましい才能 オフィシャルサイトのプロフィールを読んで貰えばわかるけれども、 そんな情報を知らず、この新作「Flora and Fauna」を聴いて、 あー音楽は進化しているんだなぁと、羨ましく、妬ましい気分にさえなった。 プロフィールの紹介に、Drummer/Comp…
アルゼンチンの風 カルロス・アギーレつながりで知った、 アルゼンチンのデュオユニット、「アロシート・デュオ」。 このユニット、3作目のアルバムということである。 ジャズではないけれども、 つい、紹介したくなってしまう、アルゼンチンの音楽。 アル…
いやらしさ と 純粋さと 黙って聴けと言われているようである。 言われた通り、黙って聞いた。いや、黙ってしまった。 彼女のキャリア、メンバーの人選、選曲、エフェクト、嗜好、ピアニズム、 ノスタルジーと現代性、いろいろなエレメントが、演奏の中に交…
我が身に沁みる、フュージョン 最近、70、80年代のフュージョンを良く聴く。 やはり、ノスタルジーなんだろうか。 ただ、かつてのフュージョンの大御所たちが、 ニンマリとした顔でリリースする新作は、 聴く気がしないのも、また常になっている。 しか…
ミッドナイト・シェルター タイトル通りの音楽がある。 「ミッドナイト・シェルター」 サシャル・ヴァサンダーニのヴォイスも ローマン・コリンのピアノの音色も 地下室のシェルターから漏れ聴こえてくるような、 内省的であるが、親密で穏やかな空気感を湛…
ロイドは飛んでいく やっと全編聴いた。 オーネット・コールマンの2曲からスタートをしていることからして、 本アルバムの大らかさと自由を象徴しているし、 ロイドの調子の良さ、本気度が窺える。 今になって、本当に自由に飛翔している感じがする。 元々…
疾走し、加速する音楽 冒頭の「Sparky」を聴いて、 久々に、EL&P(エマーソン・レイク&バーマー)に夢中になった、 若き頃の興奮を思い出した。 また、シンセサイザーを初めて手に入れ、打ち込みの練習を始めた頃を思い出した。 (楽器のデモ演奏で、必…
やさしさに包まれて また、すばらしい新譜に出会うことができた。 デリア・フィッシャー。 初めて聴くアーティストである。 調べてみると、1964年リオデジャネイロ生まれのSSW。 ピアニストが本業であるが、歌手としての力量も本作で窺い知ることができる…
ピアノトリオにおけるドラムの役割 このアルバムを紹介するかどうか、迷いました。 でも、なんやかんやいって、よく聴いているため、少し気は引けるのですが、 紹介したいと思います。 ジャズ批評「ジャズオーディオ・ディスク大賞」を受賞したとのことで、 …
アフロ・ビート !! トニー・アレンのことを知ったのは、 彼がヒュー・マセケラと組んで制作したアルバム「REJOICE」を聴いた時なので、 まだ去年のこと。恥ずかしながら、それまで全く知らなかった。 そのあまりに、大らかで、楽しげで、自由な演奏に興奮し…