JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Mccoy tyner マッコイ・タイナー Real Mccoy

孤高の人

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マッコイ・タイナーについて書きたいと思う。

この1967年に録音された、ブルーノートレコード移籍の第一段となった、

本アルバムは、彼のスタイルがある意味完成された金字塔である。

 

また、人選、選曲、アルバムジャケットなど、

どれをとっても、気合の入った、名盤中の名盤だ思う。

 

マッコイ・タイナーは根っからのピアノのイノベーターであり、即興家であるが、

オーガナイザーとしては、ハンコックやチック・コリアらのようなバイタリティを

持ち合わせていなかったことは、その後の彼の変遷を見れば明らかなことである。

ブルーノート時代に残したこの後の軌跡を見ても、ハンコックとは対照的に、

どこか野暮ったく、真面目で、不器用な作品の感を受ける。

マッコイも同時代のハンコックの活躍は相当、意識していたとは思うのだが・・・。

 

しかし、語り尽くされたことかも知れないが、

彼の生み出した奏法は、いわゆる4度重ねのハーモニーの浮遊性を生かし、

ダイナミズムに溢れたものであり、その圧倒的な即興のあり様は、

ジャズピアノスタイルの金字塔として、燦然と輝いているのである。

 

孤高の人、マッコイ。

何より、その後の数々のジャズピアニストに圧倒的な影響力を与えてきたことを

今一度評価すべきだと思うのである。

マッコイより前にこんなピアノを弾く人はいなかった。

特にインパルスからこのブルーノートに移籍する間に、

自らの奏法に磨きをかけて、非常に完成度の高いスタイルを完成させるために、

相当、苦労して、練習して、研究したのであろう。

明らかに、コルトレーン時代のマッコイとは、一線を画している。

そうした、マッコイの気合と意気込みを感じさせるアルバムなのである。

まさに、「モーダルなジャズ」と表現する時の代名詞のような作品である。

 

それにしても、ジョー・ヘンダーソンのカッコいいこと!

(特に、最後の「Blues On The Corner」のジョー・ヘンのソロ)

マッコイ、エルビンらとの相性も最高で、非常にブルージーで、

彼にとっても最良の演奏の軌跡となっている。

 

McCoy Tyner (p)

Joe Henderson (ts)

Ron Carter (b)

Elvin Jones (ds)

 

1.Passion Dance

2.Contemplation

3.Four By Five

4.Search For Peace

5.Blues On The Corner

 


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