JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

ELIANE ELIAS イリアーヌ・イリアス  FANTASIA

イリアーヌ、渾身のピアノ

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このアルバムのライナーノーツに、

イリアーヌのこのアルバムに対する意気込みが伝わってくるような自身の言葉がある。

レコーディングを終えた手応えもあるのか、

興奮して、日本のライターである竹内淳に、堰を切ったように話しかけている。

 

「ねえ、どれから聴く?(中略)イヴァン・リンスも歌で参加してくれたのよ。

 それに娘のアマンダがミルトンのメドレーを唄った時、エディ(ゴメス)も、

 ジャック(ディジョネット)も目を潤ませていたわ。それから聴く?

 それとも「バイーア」から聴く?・・・・・」

 

そんなエピソードを聞かずしても、

このアルバムの出来は、全編通して、彼女の音楽の本質を知る上でも、

非常に重要なアルバムであり、

彼女の音楽に対するピュアな熱い想いが伝わってくるという意味で、

個人的には、イリアーヌの最高傑作であると思う。

 

最近は、その陰影を帯びたトーンの声質で、ボーカルがクローズアップされる

彼女であるが、本当は、類まれな感性を持った素晴らしいピアニストである。

かつて、このアルバムを聴いて、初めてイリアーヌを知ったのであるが、

その時に、彼女のピアノのダイナミズに、時を経つのを忘れ、没頭して、

聴き入ったことが思い出される。

 

是非、聴いてみてください、

当時、8才の娘アマンダに捧げた6曲目の FANTASIA という曲を。

なんて美しい曲なんでしょう。

そして、8曲目のイヴァン・リンスと共演したメドレーのドリーミーなこと。

 

ある意味、イリアーヌは、ジャズという手法を通じて、ブラジル音楽の素晴らしさを

わかりやすく伝えてくれた最大の功績者のひとりであると思うのです。

 

Eliane Elias

Eddie Gomez (tracks: 2, 4, 6, 7, 8),

Marc Johnson(tracks: 3, 5)

Jack Dejohnett(tracks: 2, 4, 7, 8),

Peter Erskin(tracks: 3, 5)

Nana Vasconcelos(tracks: 1, 3, 5, 8) 

Vocals –Amanda Elias Brecker(tracks: 3),

              Ivan Lins(tracks: 8)

 

1. The Girl from Ipanema
2. Wave
3. Milton Nascimento Medley
4. Sabe Você
5. Bahia
6. Fantasia
7. No More Blues
8. Ivan Lins Medley

 

RELEASED IN 1992 BY Blue Note Records

 


Fantasia (To Amanda)


Eliane Elias - Ivan Lins - Fantasia