JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Ibrahim Maalouf イブラヒム・マーロフ First Noel & Andrea Motis アンドレア・モティス Colors & Shadows 

素敵なクリスマスに!

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あなたのクリスマスを彩るであろう、

素敵なアルバムを、2枚、同時にご紹介します。

 

一枚目は、まさにクリスマスソングを扱った、

イブラヒム・マーロフのニュー・アルバム、「ファースト・ノエル」。

マーロフにとって縁の深い教会で、聖歌隊と共に録音されたこの作品は、

まるで、祈りを捧げるように、丹念に、厳かに、奏でられる

マーロフの柔らかな音色が、聖歌隊のスペイシーな歌声とともに、

昇華していくような、優しさに満ちている。

 

今まで、あったようでなかった、トランペットと聖歌隊とのコラボという

アプローチが新鮮であり、それを華美にすることなく、

淡々と控えめに綴っているところが、なんとも好ましい。

クリスマスの日のBGMとして最適な一枚であると思います。

 

そして、二枚目は、

お酒も入って、いよいよご機嫌になってきたら、流して欲しい一枚、

アンドレア・モティスのニュー・アルバム「カラーズ&シャドウズ」。

こちらは、私の大好きなWDRビックバンドとの共演アルバム。

クリスマスとは直接、関係はないのだが、

クリスマスにこそ味わって欲しい、ゴージャスで、キュートな、蕩けてしまう

ブラジリアンサウンド

何より、アンサンブルの楽しさに溢れている。

着実に、アンドレア・モティスのボーカルが進化していることも聴きどころ。

 

この二枚と以前紹介した、

ノラ・ジョーンズの「アイ・ドリーム・オブ・クリスマス」

で、素敵なクリスマスを!

 

First Noel 

Ibrahim Maalouf – trumpet
Frank Woeste – piano
François Delporte – guitar

  1. Have Yourself a Merry Little Christmas
  2. Mon beau sapin
  3. Holly Jolly Christmas
  4. Il est ne le divin enfant
  5. O Holy Night
  6. Petit Papa Noel
  7. Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!
  8. The First Noel
  9. Ave Maria (Charles Gounod)
  10. Santa Claus Is Coming To Town
  11. Winter Wonderland
  12. Silent Night
  13. Jingle Bells
  14. It s Beginning to Look a Lot Like Christmas
  15. Hark! The Herald Angels Sing
  16. I ll Be Home for Christmas
  17. White Christmas
  18. Ave Maria (Franz Schubert)
  19. All I Want for Christmas Is You
  20. What a Wonderful World
  21. Light a Candle in the Chapel
  22. Adeste Fideles
  23. God Rest Ye Merry, Gentlemen
  24. We Wish You a Merry Christmas
  25. Shubho Lhaw Qolo
  26. Noel for Nael
  27. Christmas 2009
  28. The Last Christmas Eve

 

 

Colors & Shadows 

Andrea Motis & Wdr Big Band

 

    1. I Didn´t Tell Them Why
    2. Tabacaria
    3. Senor Blues
    4 .Brisa
    5. Sense Pressa
    6. Iracema
    7. Sombra De La
    8. Save The Orangutan
    9. If You Give hem More
   10. Motis Operandi 

 


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CHET BAKER チェット・ベイカー The Touch Of Your Lips

うたごころ

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最近、演奏するに当たって、心掛けていることがある。

ジャズの場合、おおよそ、イントロ〜テーマ〜ソロ〜テーマ〜エンディング

という構成、流れの中で、一つの曲を仕上げる訳だが、

 

1 テーマは、しっかり原曲の魅力を引き出して丹念に歌い上げること

   →勝手にディフォルメしたり、できるだけ過多な修飾はしない

2 ソロは、原曲のメロディを意識して、口ずさむように奏でること

   →手癖に任せていないか、ちゃんと歌い上げているか

 

この二つを、できるだけ念頭において、演奏に臨むようにしている。

そうすると、不思議に、インプロビゼーションの格調が高まる。

スタンダードは普通、コード進行に沿って演奏する訳だが、

これまで、即興のためのコード進行という程度の意識しかなかったものが、

上の2点を意識するようになってから、

あくまで、原曲の「うた」を歌い上げるためのコード進行という捉え方が、

できるようになった気がする。

 

そういう意味で、

チェット・ベイカーという人は、まさに「うた」心満載の、

非常に素晴らしい語り手である。

原曲に対するリスペクトと分析の確かさにより、

アドリブで、原曲の持つ魅力をサラリと敷衍していくさまは、

あまりに素晴らしいと言わざるを得ない。

その確かな技術を、このアルバムの中の一曲、

「バット・ノット・フォー・ミー」で検証してみよう。

 

まず、軽快なテンポに乗って、テーマをサラリと歌い上げ、

スキャットによるアドリブに入る。

このスキャットが、本当に凄い。まさに楽器の演奏を肉声化したものであり、

そのセンスとスイング感、溢れ出る機知に富んだフレーズに圧倒される。

このスキャットを完コピして自分でも口ずさめるようなるまで、

聴き込むとずいぶん、勉強になる気がする。

そしてだ、

ギターソロの後に再び、トランペットによるチェットのソロがあるが、

驚くことに、スキャットのアドリブとは全然異なるアプローチの歌い上げで、

非常に間を生かしたフレージングや

トランペットの柔らかい音色を上手く使った、極めてナチュラルな即興により、

「バット・ノット・フォー・ミー」が持つ原曲の魅力をさらに広げている。

 

チェット・ベイカーは、やはり、別格のミュージシャンだと思う。

単にヴォーカルも、歌える、上手いということではなく、

並みの解釈力ではない、音楽に対する深い理解と

天賦の感受性を備えた、稀有なミュージシャンの一人である。

 

このメンバーによるトリオはスティープル・チェイスに数枚残されているが、

ピアノ、ドラムが入らない分、一層、チェットの音楽の緻密さを直に、

感じることができる。

ダーク・レイニーやペテルセンも素晴らしい。そして渋い。

大好きなアルバムである。

 

CHET BAKER(tp/vo)

DOUG RANEY(g)

NIELS-HENNING ORSTED PEDERSEN(b)

 

1 I Waited For You
2 But Not For Me
3 Autumn In New York
4 Blue Room
5 The Touch Of Your Lips
6 Star Eyes

 


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Bill Charlap ビル・チャーラップ  Street of Dreams

「斯くあるべし」

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ビル・チャーラップ・トリオの新譜である。

「大好きなんです!」という訳ではないが、

やはり聴かずにはおられない。

ブルーノート復帰作ということらしい。

 

まず、ジャケットが渋い。

一番左側が、ビルだが、ビルに見えない。

ウォールストリートの敏腕サラリーマンのようだ。

 

そして、これまで以上に選び抜かれた音使いであること。

どんどん余分なものを削ぎ落としていっている感じがする。

ビル・チャーラップ・イズムといおうか、イディオムというか、

少し音を間引いて弾き切らないビル特有のコロコロ奏法は、

いつも真似したいと思っているのだが、

いよいよ洗練されて、研ぎ澄まされた感じがする。

長年連れ添った、ピーター・ワシントンとケニー・ワシントンという

ビルイディオムを知り尽くしたサポートのなか、

必要な音だけ置いていく、遺していく、

「斯くあるべし」というように弾くビルの音楽の頑固さ。

美しさ。

 

構成、展開、ダイナミズム、グルーブ感、

どれをとっても非の打ち所がないピアノトリオアルバムである。

しかしあまりにも完璧で、面白味がないとも言える。

アノトリオの教科書のような演奏である。

でも、スタンダードを解釈する喜びも感じる。複雑な気持ち。

 

それにしても、相変わらず、ビル・チャーラは最高にピアノが上手い!

 

 

 

 

Mulgrew Miller  マルグリュー・ミラー Solo

マルグリュー・ミラーの打鍵

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ジャズピアノの個性として、

一聴して、わかりやすいのはピアノタッチである。

 

勿論、ピアノの種類や調律の仕方によっても、

タッチレスポンスがかなり違い、奏でられる音質も変わってくる。

私の好みの音は、比較的、軽い打弦で、硬質でありながら、

まろやかな深みのある音が紡ぎ出されるような感じの、

タッチレスポンスを軽めに調整したスタインウェイである。

(とはいうものの、生涯に数度しか弾いたことがないが・・・)

余談だが、キース・ジャレットの調律は、

超軽めのタッチレスポンスであると聞いている。

 

ピアノタッチと聞いて、いつも頭に浮かぶのが、

コツン、カツンとハンマーが弦を叩く音さえもイメージできるような、

強い打鍵の持ち主、マルグリュー・ミラーである。

ミラーのピアノは、一音一音の粒立ちがクリアーで、

正確無比なフィンガリングと相まって、ピアノを最大限に鳴らすことのできる、

まさに、ピアノのヴァーチュオーゾである。

 

大好きなバラード曲「Dreamsville」を聴いて見てください。

一音一音がキラキラ煌めいていて、コロコロ転がっていくような感覚。

こんな風に、ソロを弾いて見たいものだ。

 

このアルバムは2000年に録音されたライブ盤である。

成熟したミラーの堂々たるソロパフォーマンスであり、淡々と奏でられるのであるが、

ミラーの熱き内なるパッションが伝わってくるような、傑作である。

それにしても、ミラーのピアノは凄い。

正統であり、ダイナミックであり、惜しみない表現力で、

弾ききるミラーのプロ根性には、頭が下がるのである。

 

1  Jordu
2  Con Alma
3  Carousel
4  My Old Flame
5  Dreamsville
6  Yardbird Suite
7  Body & Soul
8  Giant Steps 

 


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Brad Mehldau & Orpheus Chamber Orchestra ブラッド・メルドー&オルフェウス室内管弦楽団 Variations On A Melancholy Theme

底知れぬメルドー

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メルドー自身が、この作品の音楽性について、

ブラームスがある日起きたらブルースになっていたようなイメージだ」

と書いてるようです。

 

ブラームスと言われて、思い出したのが、

若きグレーン・グールドが録音した、

ブラームス晩年の作品から間奏曲ばかりを集めた曲集「 10 Intermezzi 」!。

なんだか、少し恥ずかしそうに、躊躇しながら、

ブラームスを弾き込むグールドの静かな語り口が思い浮かぶ。

 

メルドーのブラームスに対する憧憬と、

オルフェウス室内楽団に対する敬意にあふれた眼差しを感じるとともに、

壮麗かつ端正なアンサンブルに、なんとも控えめでありながら、

ジャズのテイストをサラリと注入する、

メルドーのセンスと底知れぬ才能に、改めて、惚れ直した。

 

こういう、気を衒わない、素直で遠慮がちさえあるアプローチにこそ、

メルドーの本質の一面が、垣間見れて非常に興味深い。

 

聴く度に、印象が変化し、深まっていく感じがする。

この音楽はやはり、メルドーの音楽なのである。

そして、メルドーは今や本当に孤高である。

 

 

BRAD MEHLDAU (p)

ORPHEUS CHAMBER ORCHESTRA : 

 

1.Theme
2.Variation 1
3.Variation 2
4.Variation 3
5.Variation 4
6.Variation 5
7.Variation 6
8.Variation 7
9.Variation 8
10.Variation 9
11.Variation 10
12.Variation 11
13.Cadenza
14.Postlude
15.Encore: Variations "X" & "Y"

 


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Sonny Rollins ソニー・ロリンズ on Impulse!

ロリンズの焦燥と奔放さ

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自分の演奏に行き詰まりを感じたり、後ろ向きな気持ちになったときは、

ロリンズを聴く。

 

私の即興の心の師、ソニー・ロリンズ

ロリンズを聴くと、心が解放されていくと同時に、

熱き想いが、心に沸き起こってくる。

 

特にインパルス時代のロリンズは、以前紹介したアルバム、 

「アルフィー」でも述べたが、

「寂しさ」「焦燥感」「切なさ」「もどかしさ」が

色濃く出ているような気がしてならない。

そして、そこが堪らなく、魅力的なのである。

 

このアルバムは1965年の録音。

コルトレーン は、同じレーベルのこのインパルスで、

既に「至上の愛」をリリースしていた。

ロリンズは自身の音楽の方向性が定まらぬまま、

ブローし続けるしか、仕様がなかったのであろうか。

 

ロリンズは、即興の人なのである。オーガナイザーではない。

そこに、ロリンズという人のジレンマがあったと思う。

特に60年代、やはり、評価されるのは、

グルーフエキスプレッションとしての新しい方向性であり、

マイルスとコルトレーンは聴衆の予想を遥かに上回る圧倒的な創造力で、

ジャズ界を牽引していった。

ロリンズほどのインプロバイザーでも、焦燥の毎日であったと思う。

(70年代に入って、やっと吹っ切れたのかもしれないが、

 演奏自体の魅力はやはり薄れてしまった)

 

そうした「寂しさ」「焦燥感」「切なさ」「もどかしさ」の表出として、

表現された、ロリンズの演奏は、気持ちと裏腹に、

却って、自由で、奔放で、豪快で、ドラマチック、

そして何より、即興=アドリブの凄みを極限まで押し進めている。

最後の曲、「Three Little Words」を是非聴いて欲しい。

このスピード感、間の取り方、完璧なアーティキュレーション

そして、息の詰まるような畳み掛けがあると思えば、

放心したようなリラックスが同居する、

非常にスリリングな演奏。

インパルスの諸作は、もっともっと評価されていいと思うのである。

 

Sonny Rollins – tenor saxophone
Ray Bryant – piano
Walter Booker – bass
Mickey Roker – drums

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, on July 8, 1965

 

1. On Green Dolphin Street
2. Everything Happens to Me
3. Hold 'Em Joe
4. The Blue Room
5. Three Little Words

 


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Norah Jones ノラ・ジョーンズ I Dream Of Christmas

シンプル クリスマス!

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ノラ・ジョーンズ初のクリスマス・アルバム。

ジャケットといい、選曲といい、

クリスマスという言葉の持つなんともいえない雰囲気を

ストレートに、シンプルに伝えてくれるアルバムに仕上がっている。

 

とある紹介記事によると、ノラは新型コロナによるロックダウンの間に聴いた、

エルヴィス・プレスリーなど、往年の大スターのクリスマスチューンを聴いて、

心地よさを感じ、自身のこのアルバムを制作することを思い立ったそうである。

プレスリーの曲「Blue Christmas」も取り上げており、

ルーズに歌うノラのフィーリングにピッタリ。

 

ノラ・ジョーンズの声質自体は、

実は、それほど好きなタイプではないが、

ここ数年、ある種、貫禄さえ感じる、枯れた落ち着きを帯びた歌唱は、

疲れた心を癒すに足る包容力をいっそう湛えてきている気がする。

その途上のクリスマスソング集。

身も心も蕩けさせてくれる。

そして、ドラムが嗚呼、ブライアン・ブレイド

ノラに感謝!

 

Norah Jones – piano, vocals
Brian Blade – drums
Tony Scherr – bass
Nick Movshon – bass
Russ Pahl – pedal steel guitar
Marika Hughes – cello
Dave Guy – trumpet
Raymond Mason – trombone
Leon Michels – saxophone, flute, percussion

 

1. Christmas Calling (Jolly Jones)
2. Christmas Don't Be Late
3. Christmas Glow
4. White Christmas
5. Christmastime
6. Blue Christmas
7. It's Only Christmas Once A Year
8. You're Not Alone
9. Winter Wonderland
10. A Holiday With You
11. Run Rudolph Run
12. Christmas Time Is Here
13. What Are You Doing New Year's Eve?

 


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