JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Joe Henderson  ジョー・ヘンダーソン Tetragon

なんてブルージー

好きなテナー・サックスは?

と聞かれたら、

まずは、ソニー・ロリンズ

やはり、ウェイン・ショーター

そして、ジョー・ヘンダーソンは外せないということになる。

 

ジョー・ヘンのオーラというのは、

ショーターに近いものを感じるが、

掴みどころがないんだけど、

奥行き・深みがあって、大胆でありながらものすごく歌っていて、

建築的・構造的であって、とにかくブルージーなんです。

 

特に、ジョー・ヘンのプローはブルースを感じさせてくれる。

音色、フレーズ、アーティキュレーション・・・、

全てがブルージー

男のテナー、ハードボイルド、クール、武勇な・・・・・

今回のアルバム評は、印象ばかりの羅列ですみません。

 

1967年に録音されたこのアルバムは、

意外とあまり表立って取り上げられることはないが、

ジョ-・ヘンのプローイングの卓越さを遺憾なく発揮していて、

傑作であると思う。

 

ベースは全曲、ロン・カーターで、

モーダルな統一感のある雰囲気を作り出している。

そして、ピアノとドラムがそれぞれ入れ替わるといった構成も面白い。

私としては、やはりジョ-・ヘンとディジョネットとの相性の良さもあり、

少し風変わりなドン・フリードマンのユニットが好きだ。

 

蛇足、

ハンコック の曲「ファースト・トリップ」を取り上げているが、

ピアノがケニー・バロンではなく、ハンコックであればと思ってしまう。

ケニー・バロンも素晴らしいピアニストだが、

60年代のハンコックの斬新さ、カッコよさには及ばない。

 

Tracks 01-03 & 05
Joe Henderson – Tenor saxophone
Don Friedman – Piano
Ron Carter – Bass
Jack DeJohnette – Drums

Tracks 04 & 06-07
Joe Henderson – Tenor saxophone
Kenny Barron – Piano
Ron Carter – Bass
Louis Hayes – Drums

 

01.Invitation
02.R.J.
03.The Bead Game
04.Tetragon
05.Waltz for Zweetie
06.First Trip
07.I’ve Got You Under My Skin

 


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2022のBEST3

今年のベストは、DOMi & JD BECKメリッサ・アルダナ、マーク・ジュリアナ

 

DOMi & JD BECK ドミ& JDベック NOT TiGHT

 

Melissa Aldana メリッサ・アルダナ 12 Stars

 

Mark Guiliana  マーク・ジュリアナ The Sound of Listening

 

今年はあまり新譜を紹介できなかったが、

私にとって今年のベストは、なんと言っても、DOMi & JD BECKになる。

この軽やかさとセンス、ポピュラリティ!

聴くたびに、この二人、何者!と思ってしまう。

この若い二人が、

ハンコックやサンダーキャットなど、優れたミュージャンのエッセンスを

しっかりと解釈して、自分たちの語法で再構築している才能たるや恐るべし。

しかし、何と言っても、DOMiの神の左手!

 

次点が、メリッサ・アルダナのブルー・ノートデビュー作。

もちろん、サックス奏者としての魅力もさることながら、

このアルバムに流れるストーリー性とミステリアスさにやられた。

傑作であると思う。

 

最後に、マーク・ジュリアナ。

この作品は、正直驚いた。

これまで、メルドーとの共演作しか聴いてこなかったのだが、

思い描いていたイメージとは異なる、

マーク・ジュリアナの深淵さを思い知らされた作品ということで、

ベスト3に選んだ。

 

 

 

Mark Guiliana  マーク・ジュリアナ The Sound of Listening

新たな地平の提示

 

交互に、

「新たな地平の提示」と

「現在(いま)の地に足の着いた、端正なエキスプレッション」が

配置されているという構成が、

この作品にかけるマーク・ジュリアナのメッセージ性の強さを裏付ける。

 

個人的には、「新たな地平の提示」の側面に、

マーク・ジュリアナというコンセプチュアルなミュージシャンとしての

魅力、可能性を再認識できた。

音楽だけでなく、哲学や宗教、科学、経済など、様々なエレメントから

マーク・ジュリアナというフィルターを通して生み出された、

新しい主題(テーマ)が、これからのジャズの地平を、

また一段と広げてくれたように思う。

 

このアルバムの影響を受けて、触発されて、勇気をもらって、

創造性を膨らませて、打ちのめされていくのであろう、

次世代の才能あるミュージシャンの

古典的な作品になるのではないかという予感がする。

 

正直、まだまだ、よくわからないけれど、気になる作品である。

 

1. A Path To Bliss
2. The Most Important Question
3. A Way Of Looking
4. Our Essential Nature
5. The Courage To Be Free
6. Everything Changed After You Left
7. The Sound Of Listening
8. Under The Influence
9. Practicing Silence
10. Continuation

 

Drums, Composed By, Producer – Mark Guiliana 
Drum Programming – Mark Guiliana (Tracks: 7)
Synthesizer – Mark Guiliana (Tracks: 3, 5, 7)
Percussion – Mark Guiliana (Tracks: 10)
Bass – Chris Morrissey
Piano – Shai Maestro 
Electric Piano – Shai Maestro (Tracks: 2)
Mellotron, Celesta – Shai Maestro (Tracks: 3, 5, 7)
Tenor Saxophone – Jason Rigby 
Flute – Jason Rigby (Tracks: 5)
Clarinet – Jason Rigby (Tracks: 1, 5)
Bass Clarinet – Jason Rigby (Tracks: 1, 3, 5, 7)

 


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Sunaga t experience 須永辰緒 Re Blue

心動かされる 丸ごとカバー Re Blue

これも、ふとアップル・ミュージックで聴いてみたら、

虜になってしまった一枚。

 

須永辰緒という名前も、

ボーカルのJ.Lamottaすずめ という変な名前のシンガーも

全く聴いたことがないわけだが、

このジョニー・ミッチェルの丸ごとカバーアルバムの、

出来の素晴らしさよ!!!

 

普通、カバーアルバムのようなものは、それほど期待できないわけだが、

この企画は、次の点において、本当に素晴らしい出来となっている。

・原曲の持つそれぞれの雰囲気や匂いを受け継いでいること

 (余程、ジョニーを敬愛しているのだろう)

・アレンジが気を衒ったところがなく、自然でありながら、

 実に、緻密に計算された新しいエレメントを付加していること

・最後に、J.Lamottaすずめの素晴らしい歌声

 

まあ、確かに最後の「ボーカルの歌声」の素晴らしさがなければ、

これほど惹きつけられなかったであろうが、

アルバム全体として、非常に完成度が高い。

Re Blueという名盤を改めて、感慨を持って楽しむことができる

センス溢れた、傑作である。

 

こういう音楽に出会えることの、シアワセ!

 

 

参加ミュージシャン

太宰百合、藤井摂、岡部洋一、塩田哲嗣、太田剣、大山渉、

関根彰良、片倉真由子 他

 

アレンジャー

中村祐介や万波麻希 他

 

A1. ALL I WANT
A2. MY OLD MAN
A3. LITTLE GREEN
A4. CAREY
A5. BLUE
B1. CALIFORNIA
B2. THIS FLIGHT TONIGHT
B3. RIVER
B4. A CASE OF YOU
B5. THE LAST TIME I SAW RICHARD

 


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Bill Evans ビル・エバンス Quintessence

エバンスとフィリー・ジョー

サブスクのランダム再生の良いところは、

思わぬ組み合わせで、選曲してくれるところだ。

 

ロック、クラシックも含んだライブラリーの中から、

偶然に連続して、流れできた曲の1曲目が、

レッド・ツェッペリンⅡから「The Lemon Song」。

こんなにかっこいい曲だったけ!と、思わず悶絶。

曲の中盤以降、穏やかなテンポになって、

ジョン・ボール・ジョーンズが、淡々と、ブルースフィーリング溢れた

ベースラインを奏でながら、ロバート・プラントと絡むところや、

ヤンチャで不良な、キレキレのジミー・ペイジのギターフレーズ、

そして、まさにヘビー!なジョン・ボーナムのドラム、どれをとっても

これこそ私にとってのロックというべきサウンドに、ノックアウトされてしまった。

 

そして、次にかかった曲が、全く異質のサウンド

ビル・エバンスのQuintessence から、「Second Time Around」。 

この曲のみ、エバンス、レイ・ブラウン、フィリー・ジョーの

トリオ編成なのだが、

エバンスが、スイングしながら、いかにも気持ち良さそうに弾いてる。

時折、ベースのレイ・ブラウンの唸り声も聞こえてきて、

とってもグルービーな気分に浸ってしまった。

ただ、何故か、ノリノリのエバンスのソロの途中で、

フェイドアウトしてしまうという編集なのである。

もっと聴きたいのにと思うのであるが、

これも編集の妙味なのであろうか。

 

思えば、エバンスはあまり、その場限りのセッション的なレコーディングは

少なかったように思うのだが、

このアルバムの面白いところは、やはり人選。

エバンスと組み合わせたら、どんなサウンドが生まれるんだろうという、

プロデューサーのワクワク感が伝わってくるようだ。

特に、ベースにレイ・ブラウンを起用したところ。

また、ケニー・バレルとの組み合わせもとても興味深い。

ハロルド・ランドのテナーもゴージャスな雰囲気を与えて、

エバンスのブルージーかつリリカルな両方の魅力を、新たに引き出している。

 

何より、フィリー・ジョーを迎えた、エバンスというのは、

やはりいつもと違う、エバンスのよりブルージーな側面を、

引き出している気がしてならない。

忘れもしない、亡くなる前に予定した来日公演の、

エバンストリオのドラマーが、フィリー・ジョーであったことを・・・。

チケットまで買って、ノリノリの演奏を期待していただけに、

今でも、残念で仕方が無かったことを思い出す。

 

Bill Evans
Harold Land (tenor sax)
Kenny Burrell (guitar)
Ray Brown(bass)
Philly Joe Jones(drums)

 

1.Sweet Dulcinea Blue
2.Martina
3.Second Time Around
4.A Child Is Born
5.Bass Face


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Charles Lloyd – Trios  チャールス・ロイド   Chapel

やっぱり聴いてしまう

 

興味津々のロイドのプロジェクト、TORIOS。

その第一弾が、ビル・フリーゼルとトーマス・モーガンとの組み合わせ。

もう、最初から、人選だけで聴きたいと思うし、

聴き慣れてからも、つい、聴いてしまうし、

聴くたびに、ハマっていく。

 

気心の知れた、

フリーゼルとモーガンの二人が発する、抜群の癒しパルスに乗って、

ロイド仙人が、品よく、フワフワと徘徊する。

夢心地のひと時を与えてくれる。

 

ロイドの吹くテナーの音色が、いつもより余計にソフトな感じなのもいい。

年齢のせいかも知れないけど、音色の表情がいい意味で単調になっている。

まさに枯れた境地である。

欲のない、音である。

大好きな2曲目の「Song My Lady Sings」を聴くと、

思わず脱力して、別次元のリラクセーションに誘(いざな)ってくれる。

 

あの神がかった仙人ロイドマジックを期待する方々には、

少し、物足りないかも知れないが、

フリーゼルとモーガンに毒気を抜かれてしまったような

頑固で大柄なロイド爺さんも、なんともオツである。

 

繰り返しになるが、

やっぱり聴いてしまう。

 

Charles Lloyd (ts, a-fl)
Bill Frisell (g)
Thomas Morgan (b)

 

1. Bloodcount 
2. Song My Lady Sings 
3. Ay Amor 
4. Beyond Darkness 
5. Dorotea’s Studio

 


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Pat Metheny Group パット・メセニー・グループ  Still Life (Talking)

惚れ直す

ふと、ランダム再生のitunesから流れてきた
冒頭の「Minuanoを聴いて、思わず聴き惚れてしまった。
 
1987年のPMGの体表的アルバムの一つであり、
学生時代に飽きるほど聴いて、身体化してしまったような音源なのに、
改めて、この体に染み渡ってくるような感覚はなんだろう。
とても新鮮なのである。
新たな気づきが出てくるのである。
音そのものに没入できるのである。
 
よく味わい尽くした音楽というものは、
時を経て、異なる様相を帯びて、余計に身に染みてくるという体験を
皆さんもきっとお持ちであろう。
 
特に冒頭の「Minuano」の構成の素晴らしさ!
導入からして、気分が高揚してしまう。
ライル・メイズとメセニーの共作クレジットになっているが、
二人の鬼才がどのように話し合って、創り上げて行ったのか、
誰か、知っている人がいたら是非教えて欲しい。
 
もう少し、惚れ直した点を具体的に整理してみると。
(1)導入楽器の音色のセレクトの旨さ 
  やはりライル・メイズの音色に対するこだわりはすごいものがある。
  音色自体が放つ説得力というか、支配力は実に大きいものだと、
  改めて気づかされた。
  シンセサイザーを使いこなせる名手としては、ザビヌルと双璧であろう。
(2)ドラマー Paul Werticoの存在
  メセニー・グループのリズムを支える、ボールの控えめで繊細なビート。
  ミナス音楽のアルゼンチンの壮大な大地から、伝わってくるような
  優しく、大らかなウェイブは、実はポールのドラミングが、
  大きく貢献していたのだと。
 
一貫性という点では、PMGの作品の中で、
このアルバムの右に出るものはないであろう。
それだけコンセプチュアルで、筋の通った、完成度の高い作品である。
メセニーとライル・メイズが創り上げた、金字塔であると思う。
 
 
Pat Metheny - guitar, guitar synthesizer, acoustic guitars, electric guitars
Lyle Mays - piano, keyboards
Steve Rodby - double bass, bass guitar
Paul Wertico - drums
Armando Marçal - percussion, backing vocals
Mark Ledford, David Blamires - vocals
 
All music composed by Pat Metheny, except where noted.
1 Minuano (Six Eight)  (Metheny, Lyle Mays)
2 So May It Secretly Begin
3 Last Train Home
4 (It's Just) Talk
5 Third Wind(Metheny, Mays)
6 Distance(Mays)
7 In Her Family