JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

John Coltrane ジョン・コルトレーン Coltrane's Sound

 ちゃんとコルトレーンを聴きたいときに

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本作は、「ジャイアント・ステップス」の一年後、

そして、「マイ・フェイバリット・シングス」とほぼ同時期に

録音された音源で、「コルトレーン・プレイズ・ザ・ブルース」と言うアルバム

も出されたが、二つの大傑作に挟まれて、陰が薄いアルバムではあると思う。

 

しかし、時たま襲ってくる、ちゃんとコルトレーンを聴きたい時に、

手に取ってしまうのが、このアルバム。

特に2曲目の「Central Park West」と4曲目の「Body And Soul」

6曲目の「Satellite」が無性に聴きたくなる。

 

Central Park West」は不思議な魅力を持つ一曲である。

ジャイアント・ステップスのコード進行に似た展開ではあるが、

非常に淡々とした静かな演奏に終始している。

コルトレーンらしくないというか、

少しも盛り上げよう、高揚しようとしない演奏が、とても気になるが、

とてもいい。

 

そして、「Body And Soul」。

このアレンジは素晴らしく、いつも聞き惚れてしまう。

いつも聞き飽きたバラード演奏に、新しい解釈を得て、生まれ変わっている。

マッコイ・タイナーの才能が大きく貢献している曲だと思う。

 

最後に、「Satellite」はピアノレスのトリオで演奏されている。

これも、非常に肩の力が抜けたというか、とりあえず吹いているというか、

淡々とした、練習曲のような吹き方が、印象的でとても気になってしまうのである。

 

ちゃんとコルトレーンを聴きたいときに、

ジャイアント・ステップス」と「マイ・フェイバリット・シングス」を

聴けば良いのだが、適度に脱力感のある、気を張らないコルトレーン

聴きたくなるのは、何故なんだろう。

 

コルトレーンというアーティストは、確かにずっーと聴いていると、

どうしても疲れてしまうのである。

ただ、時たま、ラジオかなんかで不意にコルトレーンの怒涛のフレーズを

聴いたりすると、血が騒ぐのである。

やはりスゲェーなぁーと。早くうち帰って聴きたいと。

それで、真剣にアルバムを聞き返してみたりすると、

コテンパンに畳み掛けられて、疲れるのである。

そんな時に、この「夜は千の眼を持つ」は、

ちょうどいい加減のコルトレーンサウンドに浸ることができて、

心地よい疲れで終わることができるのである。

 

 

John Coltrane (ts,ss)

McCoy Tyner (pf)

Steve Davis (ba)

Elvin Jones (ds)

1960,10,24 10,26

 

1.The Night Has A Thousand Eyes

2.Central Park West

3.Liberia

4.Body And Soul

5.Equinox

6.Satellite

7.26-2

8.Body And Soul (Alternate Take)

 

John Coltrane Quartet - Central Park West