極め付けの名盤! まずはこれから
まさにヴェリー・クール! リー・コニッツも、時に無性に聴きたくなるプレイヤーである。 やはり唯一無二のトーンと節回しが、 何ともクールでカッコ良い。 どう形容したら良いのだろう。 内に含んだような少し篭り気味でありながら、滋味深く艶やかな音色が…
ストーリーテラー ショーターのドキュメンタリー映画「無重力の世界」を観た。 エピソード1~3と三部に分けて、ショーターの生い立ちから、 亡くなるまでの軌跡を丁寧に描いている。 面白かったのは、ショーターが音楽を志すことになった時のエピソード。 …
我が青春の輝き ボプ・ジェームスとかアール・クルーの昔のアルバムを聴くと、 懐かしさのあまり、つい最後までノリノリで聴いてしまう。 なんて、軽快で、楽しくて、輝いているんだろう。 キラキラしてる。 これは、私個人のノスタルジーによるところ大なわ…
ブラジル音楽とファンクの融合 1979年にリリースされたブラジリアン・フュージョンの名作。 当時レンタル・レコートで借りて、カセットテープに録音して、よく聴いたものだ。 聴きどころの一つは、ブラジル音楽へのリスペクトをベースにして、 非常にタ…
エバンスというアーティストの面白いところ 歌もののアルバムの紹介が続くが、 なんと言っても、ピアノとボーカルのデュオの代表的な一枚と言ったら、 まず、このアルバムを思い浮かべる。 3歳程度年上のトニー・ベネットに寄り添う形で、 いつもより少し控…
ハンコックよりもハンコックらしい パトリース・ラットェンの1977年の作品。 グラミー賞受賞者であり、アメリカでは、プレイヤーだけでなく、 音楽プロデューサーや作曲家としても大いに活躍し評価されている才媛である。 私が着目するのは、彼女のピア…
マーティ・ペイチの素直さ アート・ペッパーはどちらかというと、 個人的には、敬遠してきたアーティストである。 絶頂期の「ミーツ・ザ・リズムセクション」や「モダン・アート」を 聴いても、今一つ、感情移入できない。 理由はよくわからない。 端正だし…
血湧き肉躍る サビヌル様 お盆に聴きたくなるアルバム。 ウェザー・リポートの「8:30」 聴くたびに、血湧き、肉躍る。 嗚呼 サビヌル様! なのである。 こんなにエキサイトな音楽を創造(コントロール)できるザビヌルという存在に、 改めて平伏するもの…
コルトレーンがピアノレスにこだわらないのは何故かしら? 前にも書いたが、最近の音楽の聴き方は、 もっぱらItunesによる保存音源のランダム再生である。 サブスクのお陰で、旧作から新譜までありとあらゆる作品にアクセスでき、 気に入ったものはダウンロ…
静かに心震える このアルバムで、改めて、メロディ・ガルドーという人の深淵さを 思い知った気がする。 というのも、彼女が「奇跡の生還」といったようなエピソードつきで、 センセーショナルに登場し、 「マイ・オンリー・スリル」が大ヒットしていた頃、 …
痺れるー! 俺しかわからん。 今回は、いささか調子に乗って、上から目線で書かせてもらう。 ソニー・クラークは玄人のピアニストである。 巧すぎるし、渋すぎるのである。 この陰影のあるフレーズと、絶妙なコンピングの旨さは、 パップピアニストの中でも…
この一曲 Little Girl Blue ! リトル・ガール・ブルーという1曲だけを聴くために、 トレイに載せるアルバムである。 そもそも70年代以降のロリンズの音楽には、 それほど興味も関心も薄くなってしまっている自分ではあったが、 就職して間もない頃、購入…
なんてブルージー! 好きなテナー・サックスは? と聞かれたら、 まずは、ソニー・ロリンズ、 やはり、ウェイン・ショーター、 そして、ジョー・ヘンダーソンは外せないということになる。 ジョー・ヘンの存在というのは、 ショーターに近いものを感じるが、…
エバンスとフィリー・ジョー サブスクのランダム再生の良いところは、 思わぬ組み合わせで、選曲してくれるところだ。 ロック、クラシックも含んだライブラリーの中から、 偶然に連続して、流れてきた曲の1曲目が、 レッド・ツェッペリンⅡから「The Lemon S…
惚れ直す ふと、ランダム再生のitunesから流れてきた 冒頭の「Minuano」を聴いて、思わず聴き惚れてしまった。 1987年のPMGの体表的アルバムの一つであり、 学生時代に飽きるほど聴いて、身体化してしまったような音源なのに、 改めて、この体に染み…
異国の蒼穹に溶け込んでゆくうたごえ 今一つ、心が沈みがちなときに、 この二枚組のガルのライブ・アルバムを聴くと、 元気をたくさんもらえる。 わたくしにとって、宝物の一枚である。 ガル・コスタの伸びやかで、艶やかな声は、 低空飛行しているわたくし…
クリエイティブとは マイルス、ショーター、ハンコック 、ロン、トニー、 黄金ユニットの最高傑作であると思う。 非常に自由で挑戦的に演っている。 まさにジャズの特質である即興性というものを いろいろな角度から追求し、構築していった実験的なプロセス…
メセニー&メイズの原点 1曲目のアルバムタイトル曲「Watercolors」を聴くと、 たちまちに、多感な頃の若かりし時代の、甘酸っぱいような、 悲しいような、嬉しいような、寂しいような、 なんとも言えない、色彩豊かな感覚が胸いっぱいに広がってくる。 ECM…
あゝ 理想のGroove! あまりにも有名な、トミー・フラナガンの初リーダー作品にして、 最高傑作の一つである。 ジャケットといい、メンバーといい、選曲といい、 全てが素晴らしい作品である。 もう最初の「リラクシン・アット・カマロ」を聴くだけで、 その…
青春の熱くも儚い、思い出 この豪奢な感じの2枚組のレコードを買った時の興奮は、 今でもよく覚えている。 そして、また、針を落として、スピーカーから流れる、 二人の一糸乱れぬ、緊張感のある完璧なデュオ・プレイを聴いて、 心から打ち震えたものだ。 …
サイドマンとしてのピーターソンの凄み それにしても地味なジャケット。 なんちゅう安易なデザイン! それに反して、演奏はとてもエキサイティングで、思わず聴き惚れてしまう。 スティットが、アルト、テナーを使い分け、 本気度の高いブローが、絶好調なの…
「歌う」ことの難しさ スコット・ハミルトンを聴くと、いつも感じるのは、「よく歌ってるなあ」ということ。これから、ボーカルを志す人は、この人のソロをこそ、勉強すればいいのにと思う。スコット・ハミルトンの、ほぼ予定調和で、流麗なソロが流れてくる…
ただ事でないピアノ このThe Art Of The TrioシリーズはVol.1〜5の5部作になっているが、 エバンスのリバーサイド4部作のように、 メルドーを語る上で外せない初期メルドーの傑作アルバム群である。 発売当時、度肝を抜かれたものである。 今更ではある…
完備。ピアニストの最高峰 2011年のジェラルド・クレイトン2作目のリーダーアルバム。 私は、このアルバムが大好きで、本当によく聴く。 ジェラルド・クレイトンは、 テクニック、リズム、音づかい、ダイナミクス、歌ごころ、ハーモニー、構成力、 どれ…
うたごころ 最近、演奏するに当たって、心掛けていることがある。 ジャズの場合、おおよそ、イントロ〜テーマ〜ソロ〜テーマ〜エンディング という構成、流れの中で、一つの曲を仕上げる訳だが、 1 テーマは、しっかり原曲の魅力を引き出して丹念に歌い上げ…
マルグリュー・ミラーの打鍵 ジャズピアノの個性として、 一聴して、わかりやすいのはピアノタッチである。 勿論、ピアノの種類や調律の仕方によっても、 タッチレスポンスがかなり違い、奏でられる音質も変わってくる。 私の好みの音は、比較的、軽い打弦で…
ロリンズの焦燥と奔放さ 自分の演奏に行き詰まりを感じたり、後ろ向きな気持ちになったときは、 ロリンズを聴く。 私の即興の心の師、ソニー・ロリンズ。 ロリンズを聴くと、心が解放されていくと同時に、 熱き想いが、心に沸き起こってくる。 特にインパル…
Matt BrewerとJoe Lovanoの魅力 このアルバムは発売当時、 メンバーの人選、構成力、選曲のセンス、 どれをとっても、聴く前から興奮していたのを、思い出す。 フロントの個性をいかに、引き出すかということにポイントをおいて、 聴いてみると、これまで気…
形式美の凄み バリー・ハリスである。 形式美の権化のような人である。 バリー・ハリスメソッドの洗練さは、強靭で、揺るぎない。 「こういう風にしか弾いたらあかんのっ!」 という頑固で、厳しい、ハリスのメソッドを習得しておくことは、 新しい次代のジ…
ジョン・スコ節は昔から変わらない 学生時代、マニアックなギタリスト達の羨望の的であった、ジョン・スコ。 当時、変態フレーズ、アウトフレーズの代名詞の様に言われていた、 ジョン・スコも、今となっては、もはや定番になってしまった。 昔、ホントに何…