アフロ・ビート !! トニー・アレンのことを知ったのは、 彼がヒュー・マセケラと組んで制作したアルバム「REJOICE」を聴いた時なので、 まだ去年のこと。恥ずかしながら、それまで全く知らなかった。 そのあまりに、大らかで、楽しげで、自由な演奏に興奮し…
元気の出る音楽 チャールス・ミンガスの音楽を、 時々、無性に聴きたくなる。 そして、ミンガスを聴くと、元気になれる。 心が暖かくなる。 このアルバムも、学生時代に中古の掘り出し物として、 安価で手に入れた思い出深い、レコード。 確か、2枚セットで…
あー この幸福感! 南米音楽に弱い私。 それも、イタリア系のアーティストのものに、感応しやすい。 この、ジョー・バルビエリ、キアラ・シヴェロとのデュオシングルで、 知ってはいたが、結構、日本でも人気があり、 多くの作品も世に出ている事は、知らな…
軽音楽部の思い出 4年の大学生活は、あっという間であった。 憧れの下宿生活、 軽音楽部でたむろし、ジャズ喫茶のバイトに明け暮れる毎日。 聴くもの、食べるもの、都会の匂い、原付バイク、何もかもが新鮮で、 一つ一つが、カラフルな色合いで輝いて見えた…
妖しい母娘の音楽 前作、「imagina」から気になっていた、リタ・バイエスの音楽。 ギターとトロンボーンを操り、その歌声もどこか神秘的。 前作でも、母親のエリザべス・ローマのギターを大きくフューチャーしており、 その年老いた(?)ようなエリザベスの…
次元の違う説得力 フルボリュームで、 オーケストラをバックにジョニ・ミッチェルが歌う、 このアルバムを聴くと、 やはり、いつもやられてしまう。 次元の違う説得力。 歳を重ねた、独特の枯れた声の妖艶さは、好き嫌いがあるかもしれないが、 この精巧なア…
空中から音を取り出す キース・ジャレットが、 NEA Jazz Masters Awards 2014 での受賞式のスピーチの中で、 「世界は今、退屈なものになりつつある。スクリーン上の二次元な世界であり、 この非現実に、人々は完全に慣れ親しんでしまっている。音楽に対して…
人生で一番聴いたアルバム 私がジャズを聴き始めて、2枚目に買ったアルバム。 見開きの和紙ライクな白いLPジャケットが素敵で、そこに描かれた、 水墨画のような二人の姿が象徴するように、 地味ながら、二人のインタープレイが紡ぎ出す、枯淡な味わいは…
企画力のウィル 最近は、あまり気に入った新譜がないので、 そういう時は、 昨年とても気になっていたのに紹介できなかった作品を、 いくつか紹介していきたい。 正直、それほど、ウィル・ヴィンソンのアルト・サックスが好きなわけではないが、 彼の精力的…
嗚呼、和む。 リラックスしたいときに、つい手にとってしまう愛聴版のひとつ。 テナーサックス、ピアノ、ベースという少し変わった編成のトリオである。 まず、なんと言ってもマックス・イオナータが甘い、甘い、甘い!。 控えめに、しっとり絡むドメニコ・…
血の通ったチャレンジ 日本のジャズシーンを牽引していくだけの才能と人柄と可能性を 併せ持った、石若駿。 このSongbookシリーズを聴くと、心浮き立ち、ニンマリしてしまう。 「今後、自分を取り巻く音楽シーンは、どう変わっていくのか」 という質問に、彼…
「住する所なきを、まづ花と知るべし。」 パット・メセニーを取り上げるのを敢えて避けてきたような気がする。 私の青春時代の大切な心象と重なるな音楽であり、 長い年月にわたって、その圧倒的な編集工学の妙味を、贅沢に、惜しげもなく、 提示し続けてき…
北欧クール まだ、よく聴き込んだわけではないが、 私のあてにはならぬ直感で、「これは!」と、ひかかったアルバムである。 新譜漁りの中で、自分の好みに合い、おや? ハッ!とし、 余韻として何か、自分の中で煌めきを感じるような作品に 巡り会うことは…
若きハンコックの完成度たるや! 素晴らしいものがあります。 この1963年8月録音のブルーミッチェルのリーダー作は、 選曲、メンバー、構成、演奏どれをとっても素晴らしい作品で、 愛聴版の一つなのですが、 何をおいても、23歳の若きハンコックの演…
時の過ぎゆくままに やっと聴くことができた。 Kudo様やSuzuck様のブログで知って、早く聴きたかったのであるが、 なかなか、Itunesでアップされなかったため、 益々気になっていたのである。 冒頭のTimelessから、何か、言い知れぬ陶酔感、浮遊感を味わえる…
青春の輝き チック・コリア 寂しい限りである。 「ナウ・ヒー・シングス・ナウ・ヒー・ソブス」、「ARC」、「サークル」、 「ピアノ・インプロビゼーションVol.1&2」、「リターン・トゥ・フォー・エバー」、 「ライト・アズ・ア・フェザー」、「フレンズ…
大海原に漕ぎだす一艘の小舟のように このベースレスという特異な編成のユニット「トリオ・タペストリー」による 演奏は、自分としては、二作目の本作が初体験となる。 以前紹介した、Marcin Wasilewskiとの共演アルバム「 Arctic Riff」 では、大好きなボシ…
ハロルド・ダンコの凄さについて 当プログ100回目に紹介するアルバムは、 ハロルド・ダンコのピアノトリオ。 あまり取り上げられないアーティストではあります。 正直、ハロルド・ダンコに興味を持つようになって、まだ日は浅いが、 日に日に、ある意味つ…
枯淡の境地 フランコ・アンブロゼッティも79歳。 長いキャリアにおける数々の軌跡を振り返るように、 ありのままの「今」の自分を受け入れて、 演奏する幸せがそのまま伝わってくるような、 フランコの淡々とした語り口がなんとも素敵。 特に、私の大好き…
これぞ、ニューウェーブ! 30年も前の作品であるが、 今聴いても、新鮮で、そのカッコよさに痺れてしまう。 鬼才、ヨン・バルケの大傑作であり、 私の最愛聴盤の一つである。 この不思議なオーケストレーションの魅力を、 言葉で表現することは難しい。 断…
ボール・ブレイのもう一つのソロ ポール・ブレイの代表作と言えば、 「オープン・トゥ・ラブ」であり、私もそう思う。 ブレイの魅力を伝えるに相応しい完成度の高い傑作である。 しかし、今回は、あまり取り上げられることのない、 ブレイ自身が立ち上げた、…
ジェイコブ・コリアーについて 新譜ではない、旧作の紹介。 ジェイコブ・コリアーの音楽を遡りつつ、紹介したいと思う。 昨年、遅まきながら(というかむしろ敬遠していたきらいがあるが)、 ジェイコブの音楽を少しずつ、聴き慣れていくうちに、 日に日に、…
こんなメロウなカーラも好い! このアルバムも、自分にとって、極めて懐かしい一枚であり、 本当によく聴いた一枚である。 カーラにしては、非常に珍しくポップでメロウな聴きやすい曲が多く 親しみやすい作品に仕上がっている。 しかし、よく聴き込むと、 …
フランクな色気 昨年のリリースであるが、 新しい年の一発目に紹介すると決めていた一枚、 デリック・ホッジ、三枚目のリーダー・アルバム「Color of Noise」。 タイトルそして、モノクロのジャケットも秀逸。 素晴らしい出来である。 これからのミュージッ…
マイ・フェイバリット・アルバム ・このジャケットを見るだけで、特別な気持ちになる。 ・「いま、ジャズを聴いているなぁ」という気持ちに浸らせてくれる。 ・自由自在にタイムキープが変わる空間に突き刺さるマイルスのペットの素晴らしさ。 ・「星影のス…
この至福の心地よさはなんだろう カルロス・アギーレの前作「La Música del Agua」も素晴らしかったが、 今回は、イスラエルのギタリスト、ヨタム・シルバースタインが加わったデュオ作品。 デュオと言いながら、アギーレがピアノだけでなく、ベースやパーッ…
今年のベストは、メルドー、マイルス、ムースピール Brad Mehldau ブラッド・メルドー Suite:April 2020 - JAZZ遊戯三昧 Ron Miles ロン・マイルス Rainbow Sign - JAZZ遊戯三昧 WOLFGANG MUTHSPIEL ウォルフガング・ムースピール ANGULAR BLUES - …
彼女のいない寂しいクリスマスに 学生時代、彼女もおらず、 かといって、クリスマスイブに、 一人アパートで過ごすのもあまりにも不甲斐なく、 大阪の梅田まで、出かけてみたものの、 一人寂しく立ち寄るところといえば、中古レコード屋くらい。 懐も寂しい…
作曲された即興 正直、苦手なタイプのピアノではある。 固いのである。真面目過ぎるのである。 今回、彼の新作を聴いて改めて思った次第である。 2015年、なんと12歳(日本で言えぱ小学6年生!)の時に発表した デビュー・アルバムを聴いて、その卓越…
ニューヨーク近代美術館のロリンズ ロリンズはニューヨーク近代美術館で二枚のライブ録音を残している。 1枚目は、1965年のカルテット演奏。 2枚目は、20年後の1985年のソロによる演奏。 70年代以降のロリンズは、どちらかというと苦手なのだ…