JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Rita Payés & Elisabeth Roma リタ・パイエス & エリザベス・ローマ Como la Piel

妖しい母娘の音楽

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前作、「imagina」から気になっていた、リタ・バイエスの音楽。

ギターとトロンボーンを操り、その歌声もどこか神秘的。

前作でも、母親のエリザべス・ローマのギターを大きくフューチャーしており、

その年老いた(?)ようなエリザベスの風貌からは想像できない、

格調高く正当な実に素晴らしいスパニッシュ・ギターが、

娘の少しアンニュイな歌声や、なかなか味のあるトロンボーンの音色と絡み、

シンプルでありながら、奥行きのある音楽を創り出していた。

 

今回も、同じ路線であろうと、ワクワクしながら、通して聴いてみたのだが、

この、まだ若いアーティストの懐の深さに驚いた。

アプローチが多様で、冒険的になっているだけでなく、

さらに、少し不気味な執拗さというか、妖艶で怪しい側面も垣間見るようで、

非常に興奮した。

 

一曲目の「Nunca Vas a Comprender」の

ほのぼのとしたテイストに騙されてはいけない。(でも大好き!)

どんどん毒味を増し、妖しく、手に負えない女性的な暗さのようなものが、

立ち現れてくる。

そこがとてもスリリングでもある。

 

個人的には、8曲目の「Un tros d'ahir」という曲が心に染みた。

倦怠と明るさが同居しており、トロンボーンの音色が、空に溶け込んでいくようだ。

 

Rita Payés – vocal, trombone, guitar

Elisabeth Roma – guitar

Horacio Fumero – contrabass
Juan Berbín – percussion, drums
Eudald Payés – trumpet
Pol Batlle – electric guitar

 

1 Nunca vas a comprender
2 Doce de coco
3 Quién lo diría
4 El Marabino
5 Loca mente
6 Jorge do fusa
7 Eu desespero
8 Un tros d'ahir
9 Caricias / Esta montaña de enfrente
10 No digo que no (vaca y pollo)
11 La Rosa