JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Harold Danko Trio ハロルド・ダンコ Triple Play

ハロルド・ダンコの凄さについて

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当プログ100回目に紹介するアルバムは、

ハロルド・ダンコのピアノトリオ。

あまり取り上げられないアーティストではあります。

 

正直、ハロルド・ダンコに興味を持つようになって、まだ日は浅いが、

日に日に、ある意味つかみどころのない、彼の深淵なマジックにハマりつつある。

「嗚呼、なんじゃ、これは!」というのが正直な感じである。

 

こんなピアノ、聴いたことがあるようで、実は聴いたことがない。

平板でまともな印象なようで、実は変態かつ大胆な作為。

静と動、寡黙と饒舌、滑らかさと無骨、深遠と軽薄、内省と社交、

相反するエレメントのバランスの取り方がなんとも絶妙なのである。

繰り返して言う、

こんなピアノトリオは聴いたことがあるようで、聴いたことがないのである。

 

通り一遍に聴いてしまえば、実は、抑揚がなく平板で退屈かもしれない。

しかし、あえて少し聴き方を意識して、一種一瞬を聴き分け、没入してみると、

豊富なアイデアと秘めたセンスの片鱗が玉手箱のように顔を出してくる。

実に渋い。実に深い。実にクセになる。

 

チェット・ベイカーをはじめ、リー・コニッツジェリー・マリガンなど、

長年サイドミュージシャンとして巨匠を支えてきたハロルドだからこそ知り得る

滋味のあるフレーズ、絶妙な間の取り方、省略の旨さ、弾き切らない美学、

いろいろ言葉にして、その魅力を表現しようと試みるが、言い尽くせず、

徒労に終わってしまう。

 

ぜひ実際に聴いて、チャレンジして、堪能して欲しいアーティスト。

ティープル・チェイスに多くの軌跡を残しています。どれも素晴らしい。

ハロルド・ダンコの深遠な世界が待ち受けていますよ。

 

Harold Danko(p)
Jay Anderson(b)
Jeff Hirshfield(ds)

 

1. Total Obsession
2. Sky Blues
3. Mademoisselle Dreamy
4. A Quiet Dawn
5. Triple Play
6. Shadow Waters
7. Classified Attachment
8. Ancient And Distant
9. Stream of Tears
2017年作品

 


Total Obsesson