痺れるー! 俺しかわからん。

今回は、いささか調子に乗って、上から目線で書かせてもらう。
ソニー・クラークは玄人のピアニストである。
巧すぎるし、渋すぎるのである。
この陰影のあるフレーズと、絶妙なコンピングの旨さは、
パップピアニストの中でも最高峰であることは、もっともっと認識されても良い。
ジャズ・ピアニストを志す人は、このアルバムをただただ真剣に勉強さえすれば、
真のブルースフィーリングを身につけることができるであろう。
コロコロと転がる8分音符のフィンガリングの気持ちよさは、
バップピアニストとしての真骨頂であるが、
ウィントン・ケリーほどスイングしすぎず、
ハンプトン・ホーズほどあからさま(コロコロ音)でなく、
レッド・ガーランドほど流暢すぎす、
ちょうどいいフィーリングのタッチ、そしてフィンガリングなのである。
高貴で奥床しくて、軽やかでありながら、陰りに満ちた語り口は、
俺の心を捉えて放さない。そして俺しか理解できない(高慢)。
あーそうそう、ソニー・クラーク以外のパップピアニストで、
いつも心時めいてしまうのは、ボビー・ティモンズくらいか。
このアルバムは、名盤『ソニー・クラーク・トリオ』の翌年に録音されたもので、
長らくお蔵入りしていたもの。
一曲一曲が短く、有名なスタンダードばかりであるが、
ポール・チェンバースとの相性も抜群で、
いかにも気持ちよさそうに、淡々と奏でられるクラークのピアノは、
パップ・ミュージックの宝箱である。
また日本盤は、ボーナストラックも盛り沢山で、いずれも快演のため、
ちょーおすすめです。
SONY CLARK (P)、
PAUL CHAMBERS (B) 、
JYMIE MERRITT (B) ※8のみ
WES LANDERS (DS)
1        Can't We Be Friends
2        I Cover The Waterfront
3        Somebody Loves Me
4        Blues In The Night
5       Blues In The Night  (Alternate Take) 
6       All Of You
7       Dancing In The Dark
8       Geebaby, Ain't I Good To You  (Alternate Take) 
日本盤のボーナストラックに入っている「I'm Just A Lucky So And So」