JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Pat Metheny パット・メセニー Watercolors

メセニー&メイズの原点

 

1曲目のアルバムタイトル曲「Watercolors」を聴くと、

たちまちに、多感な頃の若かりし時代の、甘酸っぱいような、

悲しいような、嬉しいような、寂しいような、

なんとも言えない、色彩豊かな感覚が胸いっぱいに広がってくる。

 

ECMらしいジャケットのデザインも大好きで、

シンプルでありながら、鋭角で豊饒なサウンドを象徴しているような気がする。

 

エバーハルト・ウエーバーのスペーシーなベースが効いているせいか、

その後の初期のPMGとは、また一味違う叙情性と映像性がある。

上手く表現出来ないが、なんとも儚げでありながら、乾いたイメージは、

パット・メセニーライル・メイズという双頭の原点のような気がしてならない。

この二人の感性が見事に触発して、こんこんと湧き出る泉が如く、

流れ出る美しいフィーリングは、喩えようがない。

時の立つのを忘れるくらい、音楽に身を委ねることができる、

わたしにとって大切な一枚である。

 

「Rakes」や「River Quay」といった何とも軽やかでポップな曲も

何度聴いても、鳥肌がたつ。

シンプルでさりげない謡いなのだが、彼らの考え方というかスタンス、感性が、

ストレートにひしひしと伝わってくるような素晴らしい演奏である。

 

そして、最後を飾る「Sea Song」!

わたしの青春の心象の原点でもある。

長い演奏だが、何度聴き返したことか。

 

メセニーとメイズの出逢いに、我々はひたすら感謝するしかない。

 

 

Lyle Mays (p)
Pat Metheny (el-g)
Eberhard Weber (el-upright b)
Danny Gottlieb (d)

 

Oslo, Norway, February, 1977

 

1. Watercolors
2. Icefire
3. Oasis
4. Lakes
5. River Quay
6. Suite: Florida Greeting Song
7. Suite: Legend Of The Fountain
8. Sea Song

 

ライブ盤しかなかったのですが、参考までに。


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