あゝ 理想のGroove!
あまりにも有名な、トミー・フラナガンの初リーダー作品にして、
最高傑作の一つである。
ジャケットといい、メンバーといい、選曲といい、
全てが素晴らしい作品である。
もう最初の「リラクシン・アット・カマロ」を聴くだけで、
そのスリリングに疾走する一体感に心奪われてしまう。
今日、聴き返してみて、改めて気づいたことは、
エルビンのドラムが全てブラシワークであること。
この気持ちの良いノリは、
エルビンのオンリーワンなタイム感覚によるところが大きいかもしれないが、
正確無比なトミフラのフィンガリングと相まって、
独特のグルーブ感を生んでいる。
ブルージーでありながら、理知的で洗練した即興演奏とはこうあるべきだという、
いつ聴いても勉強になるエッセンスが至る所に詰まっている。
ジャズピアニストとしては、玄人好みのピアノで、
ロリンズやコルトレーン名盤のサイドメンを務めたという威光で、
無視できない重要ミュージシャンのような捉え方をされ気味のような気はするが、
もっともっとその卓越した才能がクローズアップされていい、バチューオーゾである。
ホビー・ティモンズ、ソニー・クラークとともに
もっともっともっともっと、聴いてほしいピアニストの一人である。
Tommy Flanagan (p)
Wilbur Little (b)
Elvin Jones (ds)
Recorded by Gosta Wiholm
Recorded 1957.8.15
- Relaxin’ At Camarillo
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- Beat’s Up
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