JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Sonny Rollins ソニー・ロリンズ on Impulse!

ロリンズの焦燥と奔放さ

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自分の演奏に行き詰まりを感じたり、後ろ向きな気持ちになったときは、

ロリンズを聴く。

 

私の即興の心の師、ソニー・ロリンズ

ロリンズを聴くと、心が解放されていくと同時に、

熱き想いが、心に沸き起こってくる。

 

特にインパルス時代のロリンズは、以前紹介したアルバム、 

「アルフィー」でも述べたが、

「寂しさ」「焦燥感」「切なさ」「もどかしさ」が

色濃く出ているような気がしてならない。

そして、そこが堪らなく、魅力的なのである。

 

このアルバムは1965年の録音。

コルトレーン は、同じレーベルのこのインパルスで、

既に「至上の愛」をリリースしていた。

ロリンズは自身の音楽の方向性が定まらぬまま、

ブローし続けるしか、仕様がなかったのであろうか。

 

ロリンズは、即興の人なのである。オーガナイザーではない。

そこに、ロリンズという人のジレンマがあったと思う。

特に60年代、やはり、評価されるのは、

グルーフエキスプレッションとしての新しい方向性であり、

マイルスとコルトレーンは聴衆の予想を遥かに上回る圧倒的な創造力で、

ジャズ界を牽引していった。

ロリンズほどのインプロバイザーでも、焦燥の毎日であったと思う。

(70年代に入って、やっと吹っ切れたのかもしれないが、

 演奏自体の魅力はやはり薄れてしまった)

 

そうした「寂しさ」「焦燥感」「切なさ」「もどかしさ」の表出として、

表現された、ロリンズの演奏は、気持ちと裏腹に、

却って、説得力があり、奔放で、豪快で、ドラマチック、

そして何より、即興=アドリブの凄みを極限まで押し進めている。

最後の曲、「Three Little Words」を是非聴いて欲しい。

このスピード感、間の取り方、完璧なアーティキュレーション

そして、息の詰まるような畳み掛けがあると思えば、

放心したようなリラックスが同居する、

非常にスリリングな演奏。

インパルスの諸作は、もっともっと評価されていいと思うのである。

 

Sonny Rollins – tenor saxophone
Ray Bryant – piano
Walter Booker – bass
Mickey Roker – drums

Recorded at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ, on July 8, 1965

 

1. On Green Dolphin Street
2. Everything Happens to Me
3. Hold 'Em Joe
4. The Blue Room
5. Three Little Words

 


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