異国の蒼穹に溶け込んでゆくうたごえ
今一つ、心が沈みがちなときに、
この二枚組のガルのライブ・アルバムを聴くと、
元気をたくさんもらえる。
わたくしにとって、宝物の一枚である。
ガル・コスタの伸びやかで、艶やかな声は、
低空飛行しているわたくしの心持ちを、空高く飛翔させてくれる。
多分、広い会場での、大勢の観客を入れたライブ録音ならではの、
雰囲気とエフェクトの効いた音場が、ガルの唄声をより引き立たせているとは思う。
まさに、ブラジルの蒼穹に溶け込んでいくような開放感とスケール感を
味わうことができる素晴らしいライブ録音である。
1999年に行われた、アントニオ・カルロス・ジョビンへの
トリビュートコンサートとして、ガルは一曲一曲、簡潔に丁寧に、
できる限り、原曲に忠実に歌い上げている。余分な装飾はほとんどない。
だからこそ、
改めてジョビンの曲の素晴らしさに身を委ねることができる。
切なさ、アンニュイ、優しさ、戯(おど)けた、コケティッシュな、慟哭・・・
などなど、様々な形容と感情が心に浮かんでは消えていく。
こんなストレートな歌い方をして、聴衆を感動させることができるのは、
ガルを置いて他にないとさえ思えてくる。
ガルの特徴のある声質だけでなく、なんと言ってもその圧倒的な歌唱力は、
孤高の存在感を放っている。
何度聴いても胸が高まる。
01- Fotografar
02- Por Causa de Você
03- Garota de Ipanema
04- Derradeira Primavera
05- Wave
06- Brigas Nunca Mais Discussão
07- Piano Na Mangueira
08- Esquecendo Você
09- Chega De Saudade
10- Samba Do Avião
11- Anos Dourados
12- Desafinado
13- Tema De Amor De Gabriela
14- Lígia
15- Janelas Abertas
16- Corcovado
17- Bonita
18- Triste
19- Chovendo Na Roseira
20- Falando De Amor
21- A Felicidade
22- Frevo
23- Se Todos Fossem Iguais A Você
いつ聴いても泣いてしまいそう・・・・