JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Melody Gardot メロディー・ガルドー Entre eux deux

静かに心震える

このアルバムで、改めて、メロディ・ガルドーという人の深淵さを

思い知った気がする。

 

というのも、彼女が「奇跡の生還」といったようなエピソードつきで、

センセーショナルに登場し、

「マイ・オンリー・スリル」が大ヒットしていた頃、

最初私としては、話題作り重視の過剰でデコラティブにイメージ操作された

シンガーといった先入観で彼女捉えていた気がする。

だから、よく聴きもせずに、

いかにも思わせぶりな歌唱の仕方やその出で立ちに、

ある意味、良い印象を持っていなかった。

 

アーティストの音楽そのものに向き合う謙虚さを、

リスナーとして、いつも忘れないでいるようにしたい。

 

この、ピアニストのフィリップ・パウエルとのデュオ・アルバムに

最初に触れたとき、こころが震えた。

ピアノとのデュオというフォーマットのせいか、

よりメロディー・ガルドーの表現力の豊かさと情感が圧倒的に迫ってきた。

 

さらに、フィリップ・パウエルのピアノが、決して出しゃばることなく、

あくまでメロディー・ガルドーが主役であることを忘れずに、

寄り添って、完璧に伴奏している点にも、とても感動した。

無駄な装飾のない、素晴らしい伴奏である。

 

いずれの曲も素晴らしいが、

特に冒頭の曲「This Foolish Heart Could Love You」と

最後の曲「Darling Fare Thee Well」が素晴らしい。

静かに、こころが震え続けるのである。

 

Melody Gardot (vo) 
Philippe Powell (p, vo)

 

1. This Foolish Heart Could Love You
2. What of Your Eyes
3. Plus Forte Que Nous 
4. A La Tour Eiffel
5. Fleurs du Dimanche
6. Samba Em Preludio 
7. Perhaps You’ll Wonder Why
8. Recitativo
9. Ode to Every Man
10. Darling Fare Thee Well

 

ラストの「Darling Fare Thee Well」 こころが溶けていく・・・・


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