JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Pat Metheny Group パット・メセニー・グループ  Still Life (Talking)

惚れ直す

ふと、ランダム再生のitunesから流れてきた
冒頭の「Minuanoを聴いて、思わず聴き惚れてしまった。
 
1987年のPMGの体表的アルバムの一つであり、
学生時代に飽きるほど聴いて、身体化してしまったような音源なのに、
改めて、この体に染み渡ってくるような感覚はなんだろう。
とても新鮮なのである。
新たな気づきが出てくるのである。
音そのものに没入できるのである。
 
よく味わい尽くした音楽というものは、
時を経て、異なる様相を帯びて、余計に身に染みてくるという体験を
皆さんもきっとお持ちであろう。
 
特に冒頭の「Minuano」の構成の素晴らしさ!
導入からして、気分が高揚してしまう。
ライル・メイズとメセニーの共作クレジットになっているが、
二人の鬼才がどのように話し合って、創り上げて行ったのか、
誰か、知っている人がいたら是非教えて欲しい。
 
もう少し、惚れ直した点を具体的に整理してみると。
(1)導入楽器の音色のセレクトの旨さ 
  やはりライル・メイズの音色に対するこだわりはすごいものがある。
  音色自体が放つ説得力というか、支配力は実に大きいものだと、
  改めて気づかされた。
  シンセサイザーを使いこなせる名手としては、ザビヌルと双璧であろう。
(2)ドラマー Paul Werticoの存在
  メセニー・グループのリズムを支える、ボールの控えめで繊細なビート。
  ミナス音楽のアルゼンチンの壮大な大地から、伝わってくるような
  優しく、大らかなウェイブは、実はポールのドラミングが、
  大きく貢献していたのだと。
 
一貫性という点では、PMGの作品の中で、
このアルバムの右に出るものはないであろう。
それだけコンセプチュアルで、筋の通った、完成度の高い作品である。
メセニーとライル・メイズが創り上げた、金字塔であると思う。
 
 
Pat Metheny - guitar, guitar synthesizer, acoustic guitars, electric guitars
Lyle Mays - piano, keyboards
Steve Rodby - double bass, bass guitar
Paul Wertico - drums
Armando Marçal - percussion, backing vocals
Mark Ledford, David Blamires - vocals
 
All music composed by Pat Metheny, except where noted.
1 Minuano (Six Eight)  (Metheny, Lyle Mays)
2 So May It Secretly Begin
3 Last Train Home
4 (It's Just) Talk
5 Third Wind(Metheny, Mays)
6 Distance(Mays)
7 In Her Family