JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Bill Evans ビル・エバンス Quintessence

エバンスとフィリー・ジョー

サブスクのランダム再生の良いところは、

思わぬ組み合わせで、選曲してくれるところだ。

 

ロック、クラシックも含んだライブラリーの中から、

偶然に連続して、流れてきた曲の1曲目が、

レッド・ツェッペリンⅡから「The Lemon Song」。

こんなにかっこいい曲だったけ!と、思わず悶絶。

曲の中盤以降、穏やかなテンポになって、

ジョン・ボール・ジョーンズが、淡々と、ブルースフィーリング溢れた

ベースラインを奏でながら、ロバート・プラントと絡むところや、

ヤンチャで不良な、キレキレのジミー・ペイジのギターフレーズ、

そして、まさにヘビー!なジョン・ボーナムのドラム、どれをとっても

これこそ私にとってのロックというべきサウンドに、

今更ながら、ノックアウトされてしまった。

 

そして、次にかかった曲が、全く異質のサウンド

ビル・エバンスのQuintessence から、「Second Time Around」。 

この曲のみ、エバンス、レイ・ブラウン、フィリー・ジョーの

トリオ編成なのだが、

エバンスが、スイングしながら、いかにも気持ち良さそうに弾いてる。

時折、ベースのレイ・ブラウンの唸り声も聞こえてきて、

とってもグルービーな気分に浸ってしまった。

ただ、何故か、ノリノリのエバンスのソロの途中で、

フェイドアウトしてしまうという編集なのである。

もっと聴きたいのにと思うのであるが、

これも編集の妙味なのであろうか。

 

思えば、エバンスはあまり、その場限りのセッション的なレコーディングは

少なかったように思うのだが、

このアルバムの面白いところは、やはり人選。

エバンスと組み合わせたら、どんなサウンドが生まれるんだろうという、

プロデューサーのワクワク感が伝わってくるようだ。

特に、ベースにレイ・ブラウンを起用したところ。

また、ケニー・バレルとの組み合わせもとても興味深い。

ハロルド・ランドのテナーもゴージャスな雰囲気を与えて、

エバンスのブルージーかつリリカルな両方の魅力を、新たに引き出している。

 

何より、フィリー・ジョーを迎えた、エバンスというのは、

やはりいつもと違う、エバンスのよりブルージーな側面を、

引き出している気がしてならない。

 

忘れもしない、エバンスが亡くなる前に予定していた来日公演の、

トリオのドラマーが、フィリー・ジョーであったことを・・・。

チケットまで買って、ノリノリの演奏を期待していただけに、

今でも、残念で仕方が無かったことを思い出す。

 

Bill Evans
Harold Land (tenor sax)
Kenny Burrell (guitar)
Ray Brown(bass)
Philly Joe Jones(drums)

 

1.Sweet Dulcinea Blue
2.Martina
3.Second Time Around
4.A Child Is Born
5.Bass Face


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