今週の厳選 1枚
素敵なクリスマスに! あなたのクリスマスを彩るであろう、 素敵なアルバムを、2枚、同時にご紹介します。 一枚目は、まさにクリスマスソングを扱った、 イブラヒム・マーロフのニュー・アルバム、「ファースト・ノエル」。 マーロフにとって縁の深い教会で…
「斯くあるべし」 ビル・チャーラップ・トリオの新譜である。 「大好きなんです!」という訳ではないが、 やはり聴かずにはおられない。 ブルーノート復帰作ということらしい。 まず、ジャケットが渋い。 一番左側が、ビルだが、ビルに見えない。 ウォールス…
底知れぬメルドー メルドー自身が、この作品の音楽性について、 「ブラームスがある日起きたらブルースになっていたようなイメージだ」 と書いてるようです。 ブラームスと言われて、思い出したのが、 若きグレーン・グールドが録音した、 ブラームス晩年の…
シンプル クリスマス! ノラ・ジョーンズ初のクリスマス・アルバム。 ジャケットといい、選曲といい、 クリスマスという言葉の持つなんともいえない雰囲気を ストレートに、シンプルに伝えてくれるアルバムに仕上がっている。 とある紹介記事によると、ノラ…
先祖からの音群 アルバムタイトルを直訳すると、 「先祖からの音群」になる。 アルバムジャケットを観察しても、 音楽のミューズが、ケニーに息を吹き込んだものが、 彼のサックスを通じて、溢れ出してくると言ったイメージ。 いよいよ、ケニー・ギャレット…
開放される気分 2017年にリリースされた、 「Kinfolk: Postcards From Everywhere」の続編と言うことであるが、 前作は聴いていない。 聴いていないというより、ダウンロードするのを止めたような気がする。 当時、あまりに多彩で焦点が絞れきれないと言う印…
孤と孤の対峙 Solos 明らかに、アルバムジャケットの構図は、 トニー・ベネットとビル・エバンスのあの名作デュオ・アルバムを意識している。 恥ずかしながら、このジョン・セダカというミュージシャンを、 これまで全く知らなかった。 グラミー賞を2回獲得…
羨ましい才能 オフィシャルサイトのプロフィールを読んで貰えばわかるけれども、 そんな情報を知らず、この新作「Flora and Fauna」を聴いて、 あー音楽は進化しているんだなぁと、羨ましく、妬ましい気分にさえなった。 プロフィールの紹介に、Drummer/Comp…
アルゼンチンの風 カルロス・アギーレつながりで知った、 アルゼンチンのデュオユニット、「アロシート・デュオ」。 このユニット、3作目のアルバムということである。 ジャズではないけれども、 つい、紹介したくなってしまう、アルゼンチンの音楽。 アル…
いやらしさ と 純粋さと 黙って聴けと言われているようである。 言われた通り、黙って聞いた。いや、黙ってしまった。 彼女のキャリア、メンバーの人選、選曲、エフェクト、嗜好、ピアニズム、 ノスタルジーと現代性、いろいろなエレメントが、演奏の中に交…
我が身に沁みる、フュージョン 最近、70、80年代のフュージョンを良く聴く。 やはり、ノスタルジーなんだろうか。 ただ、かつてのフュージョンの大御所たちが、 ニンマリとした顔でリリースする新作は、 聴く気がしないのも、また常になっている。 しか…
ミッドナイト・シェルター タイトル通りの音楽がある。 「ミッドナイト・シェルター」 サシャル・ヴァサンダーニのヴォイスも ローマン・コリンのピアノの音色も 地下室のシェルターから漏れ聴こえてくるような、 内省的であるが、親密で穏やかな空気感を湛…
ロイドは飛んでいく やっと全編聴いた。 オーネット・コールマンの2曲からスタートをしていることからして、 本アルバムの大らかさと自由を象徴しているし、 ロイドの調子の良さ、本気度が窺える。 今になって、本当に自由に飛翔している感じがする。 元々…
疾走し、加速する音楽 冒頭の「Sparky」を聴いて、 久々に、EL&P(エマーソン・レイク&バーマー)に夢中になった、 若き頃の興奮を思い出した。 また、シンセサイザーを初めて手に入れ、打ち込みの練習を始めた頃を思い出した。 (楽器のデモ演奏で、必…
やさしさに包まれて また、すばらしい新譜に出会うことができた。 デリア・フィッシャー。 初めて聴くアーティストである。 調べてみると、1964年リオデジャネイロ生まれのSSW。 ピアニストが本業であるが、歌手としての力量も本作で窺い知ることができる…
ピアノトリオにおけるドラムの役割 このアルバムを紹介するかどうか、迷いました。 でも、なんやかんやいって、よく聴いているため、少し気は引けるのですが、 紹介したいと思います。 ジャズ批評「ジャズオーディオ・ディスク大賞」を受賞したとのことで、 …
アフロ・ビート !! トニー・アレンのことを知ったのは、 彼がヒュー・マセケラと組んで制作したアルバム「REJOICE」を聴いた時なので、 まだ去年のこと。恥ずかしながら、それまで全く知らなかった。 そのあまりに、大らかで、楽しげで、自由な演奏に興奮し…
あー この幸福感! 南米音楽に弱い私。 それも、イタリア系のアーティストのものに、感応しやすい。 この、ジョー・バルビエリ、キアラ・シヴェロとのデュオシングルで、 知ってはいたが、結構、日本でも人気があり、 多くの作品も世に出ている事は、知らな…
妖しい母娘の音楽 前作、「imagina」から気になっていた、リタ・バイエスの音楽。 ギターとトロンボーンを操り、その歌声もどこか神秘的。 前作でも、母親のエリザべス・ローマのギターを大きくフューチャーしており、 その年老いた(?)ようなエリザベスの…
空中から音を取り出す キース・ジャレットが、 NEA Jazz Masters Awards 2014 での受賞式のスピーチの中で、 「世界は今、退屈なものになりつつある。スクリーン上の二次元な世界であり、 この非現実に、人々は完全に慣れ親しんでしまっている。音楽に対して…
企画力のウィル 最近は、あまり気に入った新譜がないので、 そういう時は、 昨年とても気になっていたのに紹介できなかった作品を、 いくつか紹介していきたい。 正直、それほど、ウィル・ヴィンソンのアルト・サックスが好きなわけではないが、 彼の精力的…
血の通ったチャレンジ 日本のジャズシーンを牽引していくだけの才能と人柄と可能性を 併せ持った、石若駿。 このSongbookシリーズを聴くと、心浮き立ち、ニンマリしてしまう。 「今後、自分を取り巻く音楽シーンは、どう変わっていくのか」 という質問に、彼…
北欧クール まだ、よく聴き込んだわけではないが、 私のあてにはならぬ直感で、「これは!」と、ひかかったアルバムである。 新譜漁りの中で、自分の好みに合い、おや? ハッ!とし、 余韻として何か、自分の中で煌めきを感じるような作品に 巡り会うことは…
時の過ぎゆくままに やっと聴くことができた。 Kudo様やSuzuck様のブログで知って、早く聴きたかったのであるが、 なかなか、Itunesでアップされなかったため、 益々気になっていたのである。 冒頭のTimelessから、何か、言い知れぬ陶酔感、浮遊感を味わえる…
大海原に漕ぎだす一艘の小舟のように このベースレスという特異な編成のユニット「トリオ・タペストリー」による 演奏は、自分としては、二作目の本作が初体験となる。 以前紹介した、Marcin Wasilewskiとの共演アルバム「 Arctic Riff」 では、大好きなボシ…
枯淡の境地 フランコ・アンブロゼッティも79歳。 長いキャリアにおける数々の軌跡を振り返るように、 ありのままの「今」の自分を受け入れて、 演奏する幸せがそのまま伝わってくるような、 フランコの淡々とした語り口がなんとも素敵。 特に、私の大好き…
フランクな色気 昨年のリリースであるが、 新しい年の一発目に紹介すると決めていた一枚、 デリック・ホッジ、三枚目のリーダー・アルバム「Color of Noise」。 タイトルそして、モノクロのジャケットも秀逸。 素晴らしい出来である。 これからのミュージッ…
この至福の心地よさはなんだろう カルロス・アギーレの前作「La Música del Agua」も素晴らしかったが、 今回は、イスラエルのギタリスト、ヨタム・シルバースタインが加わったデュオ作品。 デュオと言いながら、アギーレがピアノだけでなく、ベースやパーッ…
作曲された即興 正直、苦手なタイプのピアノではある。 固いのである。真面目過ぎるのである。 今回、彼の新作を聴いて改めて思った次第である。 2015年、なんと12歳(日本で言えぱ小学6年生!)の時に発表した デビュー・アルバムを聴いて、その卓越…
ブラジルの才媛 ルーイッジ・ウーレイ 今回、紹介するのは、 ブラジル出身の女性ピアノ奏者/コンポーザー、ルーイッジ・ウーレイ。 初めて、聴くアーティストだったが、 「ブラジル音楽を基盤とした、多様かつ理知的なコンポジション」 「抑制の効いたタッ…