美しいピアノトリオが、またひとつ
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初物である。 
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キット・ダウンズというイギリスのピアニスト。 
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北欧やイタリアなど、本当に多くの耽美的なアプローチが売り物の 
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ピアニストが数多いて、少々、辟易としている状況の中、 
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抑制の効いた、素晴らしいピアノトリオが登場した。 
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全体的な印象として、まさしくECMの音にはなっているのだが、 
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なんというか、独りよがりのマスターベーションではなく、 
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非常に建築的というか、構成的な見取り図の制限の上に、 
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伸びやかに室内楽的に対話する構図がなんとも深淵で、魅力的。 
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キット・ダウンズのピアノ自体も、これまで聴いたことのない、 
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新鮮なフレージングやハーモニーを利かせ、 
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新しいピアノトリオの匂いを感じさせてくれる。 
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そしてまた、キット・ダウンズというピアニストには、 
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様々なジャンルの音楽のエレメントを深く愛し、学んだ軌跡が伺われる。 
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また、これから活躍が楽しみなユニットが誕生した。 
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Kit Downes(p) 
 Petter Eldh(double-b)
 James Maddren(ds)
 1.Minus Monks
- 2.Sister, Sister
- 3.Seceda
- 4.Plus Puls
- 5.Rolling Thunder
- 6.Sandilands
- 7.Waders
- 8.Class Fails
- 9.Bobbl’s Song
- 10.Math Amager
- 11.Castles Made of Sand