JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Joel Ross ジョエル・ロス The Parable of the Poet

優しさと、大らかさに満ちた音楽。傑作である!

こういう音楽を聴くと、

音楽ってすごいなぁと今更ながら、感慨に浸ってしまう。

じわーっと心の奥に滑り込んでいくような感覚。

傑作であると思う。

 

個々のメンバーの技量もさることながら、

多分、入念な構想と綿密な推敲がなされた努力の賜物だと思うが、

そんなことを、微塵も感じさせない、

限りなく、優しく、大らかで、ナチュラルな音楽になっている。

 

アルバムタイトルの「Parable」とは、「たとえばなし」の意。

「芸術の真髄は、模倣と様式にある」といみじくも述べたのは

確か、池田満寿夫だったと思うが、

「たとえばなし」は、日常の出来事を、

詩(アート)へと昇華させる「比喩」の技法と読み替えていい。

ジャズの伝統を取り入れ(模倣)し、「たとえばなし」=比喩の技法で、

新たな様式に築き上げていく。

そんな風に、このアルバムを捉えたい。

 

個々の楽器、演者のエレメントが、個々に主張して、触発し合うというより、

個々の演奏が、見事なタペストリーに織り込まれていくような、

全体のトーナリティを強く発揮した音楽である。

シーツ・オブ・サウンド

とても上質で繊細かつのびやかで美しい絵巻物を見るようである。

 

今のところ、今年度のベストのアルバムてある。

 

Joel Ross -  Vibraphone
Immanuel Wilkins: - Alto Saxophone
Marquis Hill -Trumpet
Maria Grand –Tenor Saxophone
Kalia Vandever -Trombone
Sean Mason -Piano
Rick Rosato -Bass
Craig Weinrib -Drums

 

1. PRAYER
2. GUILT
3. CHOICES
4. WAIL
5. THE IMPETUS (To Be And Do Better)
6. DOXOLOGY (Hope)
7. BENEDICTION

 


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