優しさと、大らかさに満ちた音楽。傑作である!
こういう音楽を聴くと、
音楽ってすごいなぁと今更ながら、感慨に浸ってしまう。
じわーっと心の奥に滑り込んでいくような感覚。
傑作であると思う。
個々のメンバーの技量もさることながら、
多分、入念な構想と綿密な推敲がなされた努力の賜物だと思うが、
そんなことを、微塵も感じさせない、
限りなく、優しく、大らかで、ナチュラルな音楽になっている。
アルバムタイトルの「Parable」とは、「たとえばなし」の意。
「芸術の真髄は、模倣と様式にある」といみじくも述べたのは
確か、池田満寿夫だったと思うが、
「たとえばなし」は、日常の出来事を、
詩(アート)へと昇華させる「比喩」の技法と読み替えていい。
ジャズの伝統を取り入れ(模倣)し、「たとえばなし」=比喩の技法で、
新たな様式に築き上げていく。
そんな風に、このアルバムを捉えたい。
個々の楽器、演者のエレメントが、個々に主張して、触発し合うというより、
個々の演奏が、見事なタペストリーに織り込まれていくような、
全体のトーナリティを強く発揮した音楽である。
シーツ・オブ・サウンド!
とても上質で繊細かつのびやかで美しい絵巻物を見るようである。
今のところ、今年度のベストのアルバムてある。
Joel Ross - Vibraphone
Immanuel Wilkins: - Alto Saxophone
Marquis Hill -Trumpet
Maria Grand –Tenor Saxophone
Kalia Vandever -Trombone
Sean Mason -Piano
Rick Rosato -Bass
Craig Weinrib -Drums
1. PRAYER
2. GUILT
3. CHOICES
4. WAIL
5. THE IMPETUS (To Be And Do Better)
6. DOXOLOGY (Hope)
7. BENEDICTION