JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Megumi Yonezawa Trio 米澤めぐみ  Resonance

抑制美

 

初めて聴く、米澤めぐみのピアノである。

 

ひたすら、淡々と、抑揚も抑え気味で、過度に盛り上げることもない。

延々とたゆたうように、むしろ朴訥とした印象で、修行僧のように、

無表情で通り抜ける感覚が心地よい。

 

華美で、ダイナミズムに満ち溢れたアプローチをする

アーティストも時には良いが、

最近の私の好みは、こういうピアノの弾き方にあるのかもしれない。

 

以前紹介した、ハロルド・タンゴに通じる、不思議さと妖艶さ、

とりとめなく、掴みどころのない魅力があるように思う。

もう少し、具体的に表現してみると、

タッチの柔らかさ、フレーズの断片性、弾き込み過ぎない抑制力、

全体を覆う大らかさ、多様な間合いの取り方、などなど

もちろん、ジャズの伝統的なバックボーンと技術を十分に兼ね備えた上での

ことであることは言うまでもないが。

 

巨匠、ハンク・ジョーンズにも同じ匂いがある。

繰り返しになるが、

とにかく、気張らず淡々としているところが、グッとくるのである。

 

まだ若いのに、既に老成した渋みがあるのは、驚きである。

 

Megumi Yonezawa (p)
Mike McGuirk (b)
Mark Ferber (ds)

1. Before the Wind
2. The Radiance
3. It’s All That Matters
4. Valley In the Deep Sea
5. Lone Winds Blow
6. Countdown
7. Body and Soul
8. Everything I Love
9. Yet Again At Will
10. All Or Nothing At All 

 

ワルツの解釈に非凡さを感じる・・・


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