心に沁みる音色
おがえりあみ と いのうえめい
名前もいいが、音楽もいい。
井上銘のギターの魅力は、かねがね、書き留めておきたかった。
まずは、彼の奏でるギターの音色の魅力である。
非常にシンプルでありながら、艶があって、奥行きが深くて、心に沁みてくる。
そして、時にハートに突き刺さるような鋭利さも・・・・
言葉では伝えにくいのだが、
やはり色で言えば、ブルーであり、孤高であり、切なさがある。
一瞬にして、私の心を捉えてしまう説得力のある音である。
彼の心と、楽器であるギターが、一体化しているようにも感ずる。
ギターを通して、生身の彼の「生」が剥き出しにされているような気がする。
身を削って演奏しているような、ある意味ヒリヒリした痛々しささえ、
感じてしまう演奏。
ときに、自分の心に迫ってくる音楽というものは、
えてして、そうした、痛々しくも、切ない感覚を有している。
ロリンズ、コルトレーン、キース・ジャレット、エバンス、、、、、
デュオというフォーマットだけに、
井上のピュアなエレメントが、より直に伝わってくる。
井上銘を聴くといつも、
自分がお気に入りの他のアーティストと共演させたら・・・・・、
という妄想が生まれてくること。
是非、治田七海との共演を期待する。
魚返 明未 (p)
井上 銘 (g)
1. きこえない波
2. サイクリングロード
3. もず
4. かなしい青空
5. 丘の彼方
6. 隔たり
7. Herbie Westerman
8. 縮む
9. 静かな影