ピアノの中にあるサウンドスケープ
サウンドスケープ(音風景)を背景に聞こえるピアノというより、
ピアノの中に潜むサウンドスケープ(音風景)という気がする。
サウンドスケープの取り込み方が絶妙で、素晴らしい。
ノルウェーのピアニスト、ヨン・バルケによるピアノソロの新作である。
ECMにおけるピアニスト群の中でも、
ただただ、耽美的過ぎるものであったり、
ただただ、概念ぽくって重々しいばかりのものであったり・・・・など、
どうしても好きになれないピアニストも少なからずいる。
そんな中で、ヨン・バルケの哲学的で控えめ、静かな語り口には、
いつも感心させられてしまう。
1990年に制作された「Nonsentration」という作品が大好きなのだが、
この頃から既に、サウンドスケープとしてのオスロ13のアンサンブル自体が、
ヨン・バルケのピアノの中に取り込まれているのかもしれない。
ヨン・バルケという少々、おどろおどろしい名前に惑わされることなく、
是非、多くの皆さんに聴いていただきたい。
最後まで一気に聴けてしまう、上質なエキセントリックさがあるのです。
Jon Balke(piano, sound processing)
1 The self and The opposition
2 The facilitator
3 The container
4 The assumptions
5 The certainties
6 The suspension
7 The polarisation
8 The second argument
9 The why
10 The deliberation
11 The first argument
12 The how
13 The mutuality
14 The first afterthought
15 The second afterthought
16 The third afterthought
Release date: 15.05.2020
ECM 2648