知的流麗なピアノなら
この暑い日に外から帰って、シャワーを浴びて、冷房の効いた部屋で、
冷たいビールを飲みながら、一息つきたい時に、
BGMとして流したいアルバムとして、セレクトしたのが、この一枚。
端正でクール、理路整然としていて、静かな知的興奮に誘ってくれるような作品。
1994年の作品。
もう26年も前の作品ということが信じられない。
発売された当時、初めて聞くピアニストでありながら、
デイブ・ホランド、マイケル・ブレッカー、ジャック・ディジョネットなど、
錚々たる豪華なメンバーを従えたジャズ作品のデビューアルバムであったことから、
興味本位で、購入した作品。
どちらかというとロック系のセッションキーボーディスト的な経歴から、
正直言って、当時あまり期待してはいなかったことを覚えている。
この作品が、アラン・パスクァとの出会いであったが、それ以来、彼の作品は、
必ずチェックするようになった。
このアルバムの面白いところは、
まるでハンコックの「スピーク・ライク・ア・チャイルド」のように、
ブラスアンサンブルを合間合間に入れて、室内楽的なフレームの中で、
ピアノトリオが浮き立つような見事な楽曲構成を成し遂げているところ。
改めて聴き返すと、アラン・バスクァがこのアルバムの制作にあたって、
いかに思い入れを込めて、構想を練り、周到な準備を進めたかが、
伝わってくる。
この後、ピーター・アースキンとの諸作により、
極めてセンシティブで、理知的なピアノトリオのフォーマットを発展させていくが、
最初のデビューで、既にその片鱗は見えていたわけである。
- Alan Pasqua (piano)
- Michael Brecker (tenor sax)
- John Clark (french horn)
- Jack DeJohnette (drums)
- Dave Holland (bass)
- Willie Olenick (trumpet) (flugelhorn)
- Roger Rosenburg (alto flute)
- Jack Schatz (trombone) (bass trombone)
- David Tofani (bass clarinet)