JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

Chick Corea チック・コリア Return To Forever

何十年ぶりに聴いてみたら

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このアルバムジャケットのアートワークの持つ、

強い訴求力は、あまりにも象徴的でわかりやすいため、

ジャケットを見ただけで、聴いたような感覚に陥り、

まず、トレーに乗せることのないアルバムの一つである。

 

かつて、LPレコードをレンタルして、カセットに録音して聴いていた時代があった。

このアルバムも、若かりし頃、レコード所有ではなく、カセットに録音したものを、

なんども何度も繰り返して聴いていた記憶がある。

だから、全ての曲について、そのメロディや即興の微細を記憶しているのは、

勿論であるが、曲の順番や曲間の佇まい、流れといった作品全体の移ろいに到るまで、

本当に、微に入り細に入り丁寧に聴いていたんだなぁと、

何十年ぶりに聴いて、改めて認識した。

 

あまりに心に沁みてくるのである。

チック・コリアの原点が詰まっている。素晴らしいの一言に尽きる。

 

こうした若い頃、繰り返し聴いた作品というのは、

時折、取り出して聴いて懐かしむものだが、こと、このアルバムに関しては、

冒頭に書いたように、ジャケットを見ただけで、まぁいいやと思ってしまうので、

本当に、数十年ぶりに聴いたわけであるが、

とても新鮮というか、ある意味、自分の音楽遍歴を総括してくれるような力を

持った重要なアルバムであることを思い知らされた。

 

私は、ハンコックとチック・コリアどちら派?と聴かれたら、

迷わず、ハンコックと言うリスナーであるが、それは、反面、

チック・コリアはキーボーディストとしては外せない存在であることを

認めざるをえないことの裏返しであって、

ある意味チック・コリアファンへの対抗心のようなところもある。

 

食わず嫌い、知ったかぶり、先入観といった言葉があるが、

やはり、歴史的名盤といわれるものは、素直な気持ちで、無心で聴いてみるものだと

つくづく思った次第です。

 

 Originally released in 1972 - recorded at 2nd and 3rd February,1972.

 

  1. Return to Forever
  2. Crystal Silence
  3. What Games Shall We Play Today?
  4. Sometime Ago / La Fiesta