JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

GLENN ZALESKI グレン・ザレスキー Smoke and Mirrors

私にとっての理想のピアノ

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待ちに待った、グレン・ザレスキーの新作。

前作のような、トリオ作品を期待していたのだが、

なんと管のアンサンブルが入った作品。

けれど管が入ったことによって、逆にピアノの素晴らしさが

浮かび上がっているような気がした。

相変わらず、ザレスキーのピアノは気品があって匂い立つ魅力がある。

 

ザレスキーのピアノが私にとって、

なぜ、自分の理想に近いピアノなのか、なぜ、心を揺さぶるのか、

自分なりに、再度、整理したいと思う。

 

・ジャズのトラディショナルなスタイルに対する

 「リスペクト」と「テクニカルな面での習熟度の高さ」が根底にあること

・即興(ソロ)時における、タッチ、音の選び方、間の取り方の抜群のセンス

・作曲能力の高さ

 

特にザレスキーのタッチとハーモニーの美しさは、格別であり、

その点では、マルチン・ボシレフスキも同じなのだが、

ザレスキーの音楽は、よりジャジーな要素が強く、

いわゆる「三連(符)のノリ」が根底にあって、

その上に、非常に理知的でソリッドな構成力の優れた音の配列が載っている、

とでも表現したら良いのであろうか・・・・

その魅力を、言葉で説明するのはなかなか難しい。

 

比較の対象にしてはいけないのかもしれないが、

ザレスキーは、伝統的なジャズの遺産を確実に消化し、ベースにした上で、

新たな時代の感性を切り拓こうとしている、

アーロン・パークス、ケヴィン・ヘイズ、ジェラルド・クレイトンといった、

時代をリードするピアニストと肩を並べる、アーティストの一人である。

 

騙されたと思って、次のYoutube動画を見ていただきたい。

管アンサンブルの後のザレスキーのなんと洗練されたソロであることか!

 

Adam O’Farrill (tp)
Lucas Pino (ts)
Glenn Zaleski (p)
Desmond White(b)
Allan Mednard (ds) (track 5)
Alex LoRe (as)
Andrew Gutauskas (bs)
Nick Finzer (tb)
Andrew Renfroe (g) (track 6)
Yotam Silberstein (g)

 

1. The Question
2. Backstep
3. Smoke and Mirrors
4. Strange Meadow Lark
5. Subterfuge
6. BK Bossa Nova
7. Road Life
8. The Answer

 


"Subterfuge" (nonet) - Glenn Zaleski