あまりに美しい歌声 川の流れのように
アルゼンチンの秘宝、カルロス・アギーレのソロ作品である。
アギーレの作品は、ハズレがなく、どれも素晴らしいが、
今回は、タイトルにあるように、「水の音楽」をテーマにした、
瑞々しくも清らかで美しい作品群である。
実際に、アルゼンチンとウルグアイの間を流れるラ・プラタ川を
アギーレは長年のテーマとして取り組んでおり、
今回のアルバムも、この川に育まれた雄大な自然と、
その流域に暮らす人々の生活や文化を題材にしたそうで、
彼のピアノとボーカルのみで、限りなくピュアで清らかな作品に仕上げている。
まずは、この歌声。ミルトン・ナシメントに似た感覚を呼び起こす、
とても透明感のある、繊細でおおらかな歌声を堪能いただきたい。
いつまでも佇んで眺めていたい、川の流れのよう。
久々に、添加物のない、心身が洗われるような音楽に触れることが出来た気がする。
Carlos Aguirre(piano&vocal)
(1) Juancito en la Siesta
(2) Pan del Agua
(3) Corrientes Cambá
(4) Santiago
(5) El Loco Antonio
(6) Río de los Pájaros
(7) Canción de Verano y Remos
(8) Pasando Como Si Nada
(9) Sentir de Otoño
(10) La Cañera
(11) Leyenda
(12) Pato Sirirí
Juancito en la siesta (Chacho Muller) - Álbum: "La música del agua"