アメリカを旅するロード・ムービー・サウンド
 

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今週の厳選 1枚は、グレゴア・マレの最新作、「アメリカーナ」。
タイトルからして、アメリカの原風景を感じさせるテーマ性の強いサウンド
想像され、2008年東京ジャズのサブ・イベントであるTokyo Jazz Circuitでも
来日したローマン・コリン、そしてビル・フリーゼルが加わって、どんなサウンド
生まれるか、ワクワクして聴いた。
 
ただ、一聴して感じた印象は、「少し意外」
・・・であった。
「原曲のメロディーを大切にした、素朴で癖のない淡々とした展開。
 でも、奇を衒わないが故に、余計、心に響いてくる、この心地よさは一体?」
といった感じ。
特に印象深かったのは、1曲目「Brothers in Arms」、6曲目Wichita Lineman」、
そして、ラストの「Still」。
多分、この手の音楽は、聴くたびに、その色合いや印象が変化し、
わたしの心に深く沈着していくような予感がする。
 
グレゴア・マレの音色や奏法は、いつ聴いても、自然体で癖のない、
ある意味、朴訥とも言えるスタイルが、彼の大きな特徴と言えるのだが、
今作は、その特徴が、コリンと一緒に創り上げた大らかで郷愁感のあるサウンド
非常によくフィットしている。
久しぶりに、真摯で真面目な、これから大切にしていきたい気がするアルバムに
出逢った気がする。
 

Americana

2.Small Town
3.Rain, Rain
4.San Luis Obispo
5.Back Home
6.Wichita Lineman
7.The Sail
8.Re: Stacks
9.Still

 

Grégoire Maret (harmonica),

Romain Collin (piano, Moog Taurus, pump organ & additional effects),

Bill Frisell (electric guitar, acoustic guitar & banjo),

Clarence Penn (drums)

 


Brothers in Arms