JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

MILT JACKSON  ミルト・ジャクソン Opus De Jazz

思う存分ミルト・ジャクソン

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ミルト・ジャクソンを聴きたくなると、
やはりこのアルバムに手が伸びる。
 
誠に真っ当で、お洒落で、小粋なアンサンブルである。
何しろ、人選が的を得ていて成功している。
限りなくブリリアントなミルトと
修行僧のようなハンク・ジョーンズの対比に、
流麗なメロディーメーカー、フランク・ウェスが華を添える。
 
1曲目なんか、
これでもかと言うほど、各人、ソロを取っている。
何回ソロを回すねん!とツッコミたくなるほど、思う存分ソロをとっている。
でも、そのソロが押し並べて、秀逸で、少しも飽きがこない。
 
ハンク・ジョーンズというピアニストは、
ホントにすごいピアニストだと思うのである。
外連味のない、真っ当なピアノに徹する彼のブロフェッショナルな姿勢を
プロのミュージシャンたちは、もっと見習わなければいけないと思う。
当たり前のようにサラーっと弾いて、確かに地味ではあるが、
伝統工芸職人の無駄のない鮮やかな手技と言ったら良いであろうか、
よく聴くと、やはりすごいピアノなのである。
こうしたスタイルを一生貫き通した、ハンク・ジョーンズの軌跡は、
ジャズ界の宝、伝説と言ってもよいと思うのである。
 
この作品のミルトのプレイは、いつ聴いても、ファンキーで、
音もブリリアントで、つい、聴き惚れてしまう。
個人的な思入れかも知れないが、
ミルトのヴィブラフォンは、50年代の音とフレーズが、
やはり一番、しっとりしていて、間の取り方にも余裕があって、初々しい。
 
「オパス・デ・ジャズ」と言うタイトル通り、
「ジャズとはこうあるべき!」を、
そして、ジャズの醍醐味を、皮膚感覚で感じさてくれる、
素晴らしいアルバムなのである。
 
Frank Wess(fl)
Eddie Jones(b)
1955 10 28 RVG
 
1.Opus De Funk
2.Opus Pocus
3,You Leave Me Breathless
4.Opus And Interlude