JAZZ遊戯三昧

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Tokyo Zawinul Bach 東京ザヴィヌルバッハ Reunion

今こそ 東京 Zawinul Bach   再会のとき

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冒頭曲の「TZ-1 Choral」を聴いて、涙した。

 

TZの「T」は東京。「Z」はZawinul の略。「Choral」は唱和の意。

あの東京ザヴィヌルバッハを率いる、鬼才、坪口昌恭が、

結成当初のメンバーである菊地成孔五十嵐一生に声をかけ実現した、

まさに再会というタイトル通りの、20周年記念ライブ。

この冒頭曲の由来を知る上で興味深い、坪口昌恭へのインタビュー記事があるので、

少し長いが引用すると、

 

「バンド名をどうするかということも話していたんです。僕は坪口だから、「tzboguchi」ってちょっとふざけて表記しているんですけど、そこから「TZ-1」のような記号みたいな名前がいいんじゃないかと菊地さんからのアイデアがあったんですよ。僕はもうちょっと色彩的な名前が欲しくて「tzboguchi」の宛字を考えていたら、「t」は「東京」、「z」は「ザヴィヌル」だよねって大笑いになって。要するに当て字で考えていったんです。「東京」は「東京で発信している」という意味がもちろんあります。「ザヴィヌル」は「ジョー・ザヴィヌル」です。その頃は、エレクトリック・マイルス再評価をやりたいよねというムードだったので、エレクトリック・マイルスの影の立役者はジョー・ザヴィヌルでしょ、みんな忘れてるけど彼がいたから「ビッチェズ・ブリュー」もできたんだという話になって。・・・」

 

「TZ-1 Choral」は坪口と菊池との即興的な掛け合いから始まり、

ベースとのユニゾンによる、邂逅のテーマが告げられると、

五十嵐や菊池が、絡み合いながら、夢見心地のChoralに編み上げていく。

再会にふさわしい、ノスタルジーと優しさに溢れたこのアルバムの

象徴的な作品である。

 

また、5曲目の「New Neuron」では、石若駿が参加しているが、

五十嵐のペットも往年の輝きを得たソロで応酬すると、

坪口自身も触発されて、ローズを弾きまくって、本当に演奏を楽しんでいる。

 

東京ザヴィヌルバッハの20年の軌跡は、日本の音楽界が誇るべき、

坪口という天才による編集工学の素晴らしき成果である。

今からでも遅くない、今聴いても、新鮮でエキセントリックな、

東京ザヴィヌルバッハの素晴らしい過去の作品群に、

今こそ、触れてもらいたい。

 

坪口昌恭:Pf, el.P, Synth. Vocoder, efx, MacBookAir

菊地成孔:sp.&tn.Saxophone, CD-J, Rap(N/K)

五十嵐一生:Trumpet, electronics(except track3)

織原良次:Fretless Bass(except track3)                                                                         

守 真人:Drums, Pad(except track3, 5)

石若 駿:Drum(s track5)

河波浩平:Voca(l track6)

Recorded at 代官山 晴れたら空に豆まいて

 

1. TZ-1 Choral

2. 12 Special Poison

3. Poly Gravity

4. Bitter Smiles

5. New Neuron

6. Drive Inn High

 


Tokyo Zawinul Bach・Reunion 『 20th Anniversary Live』 試聴動画

 

おまけに、ザビヌルの偉大さを知ることになる坪口さんの名アレンジ!


"Black Market" (composed by Joe Zawinul) by Masayasu Tzboguchi (Tokyo Zawinul Bach Selection)