JAZZ遊戯三昧

JAZZ専用スタジオ「Studio 303」オススメのジャズアルバムをご紹介!

   

Sam Gendel サム・ゲンデル Satin Doll

聴いてしまう魔力 フラジャイルなジャズ

新譜ではないが、いつか取り上げたいと思っていたアルバム。

 

サム・ゲンデル。

今や、折坂悠太らとの仕事なとで、日本でも有名になってしまったが、

やはり、発想、編集力の人なんだろう。

我々凡人にはまず思いつかないアプローチが面白い。

 

ただ、個人的な話だが、彼のつくる音楽自体が私の好みにとても合っている。

聴いているというか、つい聴いてしまうというか。

ルイス・コールと違って、無性に聴きたくなるわけではないが、

いったん聴き出すと、つい最後まで聴いてしまう。心地よい。

 

正直、とてもリラックスした気分でいられる。

サックスの音色が、これまでのジャズにおける

ソリストが奏でるサックスの音色とは明らかに、一線を画しており、

ある意味、ビックバンドや吹奏楽のサックスパートが奏でる

アンサンブルの様なテイストが、新鮮である。

ザビヌルが、エリントンのロッキン・イン・リズムという曲を、

シンセでオーケストレーションした時に近い感覚。

 

このアルバムは、サム・ゲンデルが

世に大きく取り上げられるきっかけになった作品である。

ジャズ・スタンダード曲を素材にして、自由な発想で、無理せず、

自分の音楽経験の中で、上手く消化しているやり方に、嫌味がない。

むしろ、自分のピアノプレイを考える上で、

ジャズ・スタンダードのアプローチの仕方として、

新しいヒントを与えてくれような気がして、とても勉強になる。

 

個人的には、この後に出た「Fresh Bread」の方が好きで、

その気怠いながらも、どこか土着的で、

「音遊び」的な響きに魅了されている。

くどいようだが、決して、いつも無理していないところがいい。

 

Sam Gendel – Saxofone
Gabe Noel – Electric Bass
Philippe Melanson – Electronic Percussion

 

1.Afro Blue

2.Saxofone Funeral

3.Satin Doll

4.Goodbye Pork Pie Hat

5.Stardust

6.The Theem

7.O Ovo

8.Cold Duck Time

9.Freddie Freeloader

10.Glide Mode

11.In a Sentimental Mood

12.Love Theme from Spartacus

13.SXFN FNRL

 

Satin Doll     映像も音楽も・・・いい。


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