JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

JIMMY RANEY ジミー・レイニー TWO JIMS AND ZOOT

深夜に聴きたい渋目の室内楽ジャズ

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密かに楽しむ名盤の代表格、「TWO JIMS AND ZOOT」

静かな真夜中に、少し小さめのボリュームで、耳を傾けたいアルバムである。

 

1964年の録音、二人のギターにズート・シムズが乗っかるという編成の妙、

印象的なジャケット、バランスのとれた選曲などなど、

地味ではあるが、芳醇な香りとテイストを秘めた、

年代物のウィスキーのような味わいと余韻が残る作品。

 

ジミー・レイニーはジム・ホールより三歳年上で、

ホールがニューヨークでの生活に慣れるのに随分と力になってくれたそうである。

そんな信頼関係の中で、また、様々なギグを通じて生まれた、

レコーディングのアイデアなんだろうと思う。

ツインギターの役割が相互補完的で、比較的似たような音質ではあるが、

構成上、非常にうまく棲み分けができていて、

素晴らしいアンサンブルに仕上げているところは、

やはり、この二人だからこその偉業!

そして、ズート・シムズの参加が、水墨画の世界に妖艶な色を添えている。

 

個人的には、「All Across The City」という、

ジム・ホールの曲が大好きなのであるが、

自分の曲ながら、ホールは、バッキングに徹しているところが、なんとも奥床しい。

ジム・ホールというギタリストは、目だないようにして目立つというか、

アート・ファーマー、ロリンズ、エバンスといった、フロントの持ち味をうまく

引き出す、素晴らしいギタリストであると思う。

そんな、ホールの天賦の才を、自らのギターセンスと対比させながら、

これだけ緻密で、洗練された作品をブロデュースした、ジミー・レイニーに

拍手を贈りたい。

 

ZOOT SIMS(ts),

JIMMY RANEY(g),

JIM HALL(g),

STEVE SWALLOW(b),

OSIE JOHNSON(ds)

 1964年5月録音

 

1.HOLD ME

2.A PRIMERA VEZ

3.PRESENTE DE CARNAVAL

4.MANHA DE CARNAVAL

5.ESTE SEU OLHAR

6.BETAMINUS

7.MOVE IT

8.ALL ACROSS THE CITY

9.COISA MAIS LINDA

10.HOW ABOU YOU?

 


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