JAZZ遊戯三昧

オススメのジャズアルバムを紹介してます。

LUCIANA SOUZA  ルシアーナ・ソウザ Storytellers

「WDRビッグバンド」という多様性

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吉祥寺ジャズシンジケートのH.A.さんがブログで紹介されていたのを拝見して

知ることの出来た、ルシアナ・ソウザのニュー・アルバム

 

ルシアナ・ソウザが、祖国ブラジルが誇る楽曲を、

ドイツ・ケルンの世界的ビッグバンド、WDR Big Band の演奏をバックに歌う、

上質でゴージャスな作品。

 

アントニオ・カルロス・ジョビンイヴァン・リンス、ギンガ、ジルベルト・ジル

など、ブラジルを代表するアーティストらの曲が並ぶ。

意外と知られていない曲が選曲されているのだが、このアルバムの最大の特徴は、

世界最高峰のビックバンドWDR Big Band を巨匠ヴィンス・メンドーザ

アレンジ・コントロールにより、ブラジル音楽を上質で親しみやすい

ジャズ・オーケストラ・サウンドに仕上げているところにある。

 

ですから、ルシアナ・ソウザの歌物アルバムというより、

珠玉のMPBの素晴らしさを、西欧(ドイツの感性)のフィルターを通して、

再構築したアルバムとして、むしろビックバンドジャズの多様性を示すことに

成功した作品と言えると思う。

勿論、ルシアナの歌声は文句なく素晴らしい。

 

それにしても、ドイツが世界に誇るWDR Big Bandの活動の多様性は凄い。

アントニオ・サンチェスやフレット・ハーシュ、

最近注目のボーカリスト、ジャズ・メイアーホンとの共演など、

いずれも質の高い、ソリストの力量をこれまでとは違う次元で引き出してくれるような

刺激的な作品群、ライブを生み出している。

今後、ますます注目していきたい、ビックバンドジャズである。

 

Luciana Souza(vo), andWDR Big Band Cologne arranged and conducted by Vince Mendoza
Saxophones: Johan Hörlenm, Karolina Strassmayer, Olivier Peters, Paul Heller,

       Jens Neufang, Stefan Karl Schmid
Trumpets: Wim Both, Rob Bruynen, Andy Haderer, Ruud Breuls, John Marshall,

             Bastian Stein
Trombones: Ludwig Nuss,, Shannon Barnett, Andy Hunter, Mattis Cederberg (Tuba)
Guitar:Paul Shigihara
Bass:John Goldsby
Piano:Rainer Böhm
Drums:Hans Dekker
Percussion (Special Guest):Marcio Doctor

 

1.Varanda (Chico Pinheiro & Tiago Costa)
2.Matita Perê (Antonio Carlos Jobim & Paulo Cesar Pinheiro)                                       
3.Se Acontecer (Ivan Lins & Lenine)
4.Beatriz (Edu Lobo & Chico Buarque)
5.Choro #3 (Vince Mendoza)
6.Meu Pai (Guinga)
7.Baião a Tempo (Luciana Souza)
8.Solos
9.Mar de Copacabana (Gilberto Gil)
10.Sim ou Não (Djavan)

 

2020年作品


Luciana Souza feat. by WDR BIG BAND - Mar de Copacabana